ふじこ

サイレントチャイルドのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

サイレントチャイルド(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

いや…手話も読唇術もどっちも出来た方が良くない?って思うんだけど、違うんかな…。

短編はここで終わるから良いんだよな~みたいなのとか、えっここで終わり?みたいなのがあるけど、これは後者だったな…気になる…。
とっても可愛い、普通の女の子であるリビーの事を一番に考えないでどうする。
年の離れた兄と姉がいて、食卓でも誰もリビーの方を見て話さないなぁって思ってたんだけど、まさか不倫して出来た子だとは…。

唯一、兄が手話を教えて貰って"オレンジ"とジュースを欲しがるリビーに気付いて嬉しそうだったけれど、両親がアレじゃあリビーの先行きも明るくないな…。沢山の自動を前に普通に喋る先生や、楽しそうに遊ぶ子供達の中に入れずに壁を背にぽつんとしている少女の姿が悲しくてたまらなかった。

両親はリビーが普通に見えるようにしたいのかなぁ。なんだか毎日全員が忙しそうで、誰もリビーの方を向いていなくて、手話を覚える気もないんだなって感じだったけど…。
家から5分のところにある公園に、まだ小さいから連れて行ってない って言ってたけど、小学校に入学する年だよね…?普通公園デビューって1歳とか2歳とかの話なんじゃないのか?
なんで一番小さくて一番サポートが必要なリビーに割く時間がないんだろう…って思うとやっぱ不倫の子だからか?彼女自身に全く非がない事で、家族の誰からも向き合って貰えないなんて悲しすぎるよ。

最後に、聴覚障害者の90%が聴覚障害のない親から生まれ、その内の78%がサポートを受けられない普通の学校に通っています と表示される。
難聴は学習障害ではなく、適切なサポートがあれば彼らは聴力を持つ子供と全く同じことができます と。
教えて貰えないから出来ないだけで、リビーだって普通の子のようにいっぱい言いたい事だってあるだろうに…。
こんな切ない思いをしている子供が沢山いるのかと思うと悲しいなぁ…。
別方面のサポートが必要な学習障害の子や、また別のサポートがいる知的障害とも違って、通訳の人がいれば普通の教室で普通に学べるのに。
誰も彼女に問いかけないから、彼女は何も語ろうとしないし、彼女の話を一番聞いてくれて、一番話し掛けてくれた先生にだけするあの"愛してる"の手話が切なすぎて泣いてしまった。
ふじこ

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