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ロミー・シュナイダー ~その光と影~のKientopp552のレビュー・感想・評価

4.0
 シュナイダーがドイツ語圏の映画界で著名になったのは、1955年作のオーストリア映画『プリンセス シシー』(ドイツ語原題は『Sissi』で、「スィスィー」と発音したところ)でであった。彼女が、バイエルン王国公女からオーストリア皇后となる、エリーザベトを天真爛漫、溌剌に演じて、これが大衆に大いに受けたからであった。これにより、シュナイダーは、エリーザベトの愛称Sissiで呼ばれる程であったのである。その彼女が、50年代末のある仏・伊合作映画で共演した、当時未だ無名のアラン・ドロンと恋に落ち、彼のいるパリに出奔する。このことは、「Sissi」たる彼女が、未だ「仇敵」のフランスに脱走したものとドイツ語圏では取られ、それ以来、彼女は、「裏切り者」となったのであった。このような、シュナイダーとドイツ語圏のマスコミとの「緊張関係」が本作のストーリーの底流を流れていることは知っておくべきであろう。
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