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希望の灯りのcardamonのレビュー・感想・評価

希望の灯り(2018年製作の映画)
3.7
旧東独だった地域にある巨大スーパーが舞台。そこに入社して来た若い男クリスティアン、体中のタトゥーから何やら訳ありだと感じる。上司や同僚はぶっきらぼうだけど温かい。立ち入った事を聞くでもなく、よくある新人イジメもなく彼を仲間として受け入れる。孤独や人生における困難を抱えているが故の他者への優しさなのだろう。

同僚の年上の女性マリオン、演じるはザンドラ・ヒュラー(どうしても「落下の解剖学」での強い女性が思い浮かぶ)。彼女もまた私生活で抱えるものがある。そんな彼女に恋するクリスティアン。恋する故に突拍子もない行動に出るが……

巨大で無機的な空間が人々の心に孤独を植え付けるのだろうか。それとも旧東独時代への郷愁が人を孤独へと押しやるのか…やるせない想いと新たなる希望、相反する気持ちでラストを迎えた。

独特の間と世界観……余韻が残る。ふとした時に彼らの事を思い出しそう。
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