巣籠もり坊主

空母いぶきの巣籠もり坊主のレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
3.5
2021/02/27(土)観賞
 リアルな戦闘、戦場を知らない(知り得ない)身にとっては充分に戦争の怖さが感じられて良かった。
 例えば、炎上する護衛艦の映像を「リアリティが無い」と評するのは映画としての映像のクオリティがど〜ちゃら言う平静時の観念においてのみ成立する日常会話であり、それはそれで否定されるべきものでもない。しかし、こうしたジャンルの映画に関しては、擬似体験装置としての意味を満喫する為にも、真に成すべきは自らが燃え盛る船を見上げていると想像し、登場人物の無力感を体内で再現するような、あたかも実体験したかの如く作中の状況に我が身を置くという精神的な補完作業なのだと思う。そうした意味で、ハリウッドの超人活躍劇のフィールドとしての戦場より余程怖い思いができて満足度高し。
 ま、自分が身を置くであろう可能性が最も高いポジションは疲労困憊していたバイト君の立ち位置だとは思うのだが…
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