てろおか

空母いぶきのてろおかのレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
4.5
意外と日本映画で骨太の現代戦を
描いたエンタメ映画ってあんまり
なかった気がするんですが ついに
ここまで出来ちゃったのかと
感慨深い思いで鑑賞しました。

しかも原作はあの かわぐちかいじ先生の
「空母いぶき」ではありませんか!
期待に胸ふくらまし 西島秀俊さんの
舞台挨拶も見に 公開前に劇場へ!



結論 かわぐちかいじ先生の
「空母いぶき」あんま関係ない!

けど 映画としてはめちゃくちゃ面白い!

良い!!
良い意味で改編されてます!!

今度の敵は 原作の中国ではなく
東亜連邦なる正体不明の謎の
超専制軍事国家!!

しかも旧ソ連払い下げの
空母とそれを中心とした機動艦隊を保有!
航空戦力はミグ戦闘機60機!!
潜水艦も随行しているという
新興国家とは思えぬ充実した外洋戦力!!

対するは
最新の航空機搭載型護衛艦
いぶきを中心とした海上自衛隊の
最精鋭 第5護衛隊群!
戦闘機乗りながら艦長を命じられた
変人 秋津艦長を主人公に置き

競技会で他の追随を許さない
射撃精度を誇る 「いそかぜ」の浮船艦長!

インデペンデンスデイ的な事件が
起これば間違いなく選抜メンバーに
選ばれるであろう無類の強さを誇る
迫水隊長率いる「アルバトロス」戦闘機部隊!

などなど個性的な面々が
この強大な軍事国家に対して
己の技量と自衛官としての矜恃を信じて
立ち向かいます!

あらすじだけで
鳥肌モノの頭の悪さ!
開始5秒で「この映画は堅苦しい軍事ドラマやない、こりゃピーター・バーグの伝説娯楽映画「バトルシップ」級の海戦エンタメや!!」
と気づいた私は 脳みその思考を停止させ
まんまとこの映画の術中にハマってしまいました!

さらに専守防衛という
日本ならではの特性 制約を
劇中に組み込み、あたかもリアリティを
演出することで 日本でしか描けない
タイプの斬新な海戦映画に仕上げることに
成功しています。

ともすればとっつきにくい
「国防」というテーマを
まるでアニメ映画のような
わかりやすい娯楽作品に昇華できている
点は画期的というほかありません。
観客は劇場に説教されに行きたいのではなく
大画面での迫力ある映像体験を
求めているのです。

ここまで振り切ることができるように
なった日本映画を私は大変誇らしく思います。
あまり普段「平和」や「戦争」という
テーマに馴染みのない、説教臭さが
嫌だと思っている そこのあなた!
本作を見て わけの分からない
空想巨大軍事国家と戦う
空想激強自衛隊の攻防に胸高鳴らせ
劇場を出て、「平和って大事だね」と
それっぽいことを語って
なんちゃって政治談義に花咲かせて
少し賢くなった気分になっちゃいましょう!!
てろおか

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