ことりちゃん

空母いぶきのことりちゃんのレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
1.0
戸次重幸さんのファンですが、予告の時点で嫌な予感がしたので劇場には行きませんでした。正解でした。

原作は未読です。
でも実写するなら、そういう人にもストーリーを分からせるのが脚本演出として当たり前の仕事だと思います。
この映画にはそういう工夫が全くなかった。

キャラクターが多過ぎて、
ほぼ全ての人らのバックボーンが見えず最初のテロップでの紹介のみで、撃墜されたり、ほぼ初めて喋るようなキャラクターが感動するセリフを言ったりしても感情移入が出来ません。感情移入出来ないので次々に艦隊が撃沈されようとも特に悲しくもありません。だって撃沈されそうになって初めてその人がフィーチャーされるんです、いきなりスポット当てられてはい死にました、ああそうですか、こういう風にしか思えません。

肝心なところを誤魔化し過ぎているしCGがチープで緊迫感がまるでなく、事件は会議室で起きてるんですか状態。豪華俳優陣()の芝居に頼りきるの本当にやめて。金と権力で役者さん無駄遣いする邦画にはうんざりです。彼らの能力を生かせないくせに知名度だけで使うのはやめて欲しい。

その割にコンビニ店員、あんなに掘り下げる必要ありました?ただでさえ緊迫感無いのにあれを間に入れてるせいでより緊迫感が無くなってる。
記者の1人がコンビニに行ってたって…弱すぎませんか。戦争勃発の危機に直面した国民の混乱を表現するだけなら別に店員はモブでも良かった。何ならスーパーやコンビニの空になった棚とその旨書いた貼り紙のカットを差し込むだけで充分伝わる。

もしそれが原作にあったとしても、こういうところこそ実写化のオリジナル要素で削るべきだと思うんですよ。そもそも時間の限られている実写映画でタラタラタラタラ全て原作なぞって映画が出来るわけがなく、きちんと解釈して上手く山場や結末を作らなきゃいけない。それが上手い実写化を何本も知っているので、これはそれをしなかった怠慢としか思えません。

オチも最悪。
なんやかんやで諸外国から助けが来て
海外の人がその動画を見てる映像を流して記者のナレーションベースで説教垂れるって…
コンビニの中井貴一さんのオチも読めた。サムい……

脇役の俳優目的で見ても作品として最高ならむしろのめり込んで見られるんです。本作はそれがなく、ただただストレス、2時間何を見せられてたのって気持ち。

戸次さんの軍服は最高だし、相変わらず美しくて良い声。
出演時間5分でしたけどね 笑