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バーニングの一人旅のレビュー・感想・評価

バーニング(1981年製作の映画)
3.0
トニー・メイラム監督作。

サマーキャンプに参加中の学生グループが、顔面に火傷を負った醜い殺人鬼・クロプシーに次々と襲撃される恐怖を描いたホラー。

ホラー映画の金字塔『13日の金曜日』と同じくキャンプ場を舞台にしたスプラッターホラーで、今回の殺人鬼のメイン凶器は植木バサミ。指を一瞬で切断したり、喉元をシュパッと切り裂くなどのグロテスク描写は出血多量で凄惨。被害者の悲鳴・絶叫と相まり圧巻の恐怖と絶望に圧倒される。
「グロあるところにエロもあり」の基本法則に反することなく、やはりエロ描写も数少ない見どころのひとつ。女学生の日焼けした裸体が惜しげもなく露わになる(男性鑑賞者限定の)大サービス。シャワーシーン、水遊びシーン、いちゃラブシーン...いろんなシチュエーションでいろんな裸が映し出される。彼女らの共通点はやはり日焼けしたボディで、水着の部分だけ異様に肌が白い(男の尻も白いのはちょっと...)。

で、全体的に結構グダグダしている。キャンプ場で最初の犠牲者が発生するのは鑑賞開始50分ほど経過した後で、それまでは“殺されそうで殺されない”演出にいちいち「ドキドキ→安堵」を繰り返させられることになる。ソフトボールプレイ中にボールが茂みの中へ。それを追う女学生...「あ、死んだな」と誰もが思う立派な死亡フラグだが、案外助かる。他にも、シャワー中の女学生に忍び寄る足音だったり、男子学生が何かを取りに部屋に戻るシーンなど、それっぽいフラグはいくつも立つのだが、実際はフェイントというケースが多い。まあ、演出としては悪くはないのだが、川下り中に発見したボートにすごい時間をかけてゆっくり近付いていくシーンはちょっと不自然で、尺稼ぎに走ってる感じがしないこともない。

もちろん、出演者は揃いも揃ってパッとしない。女学生の裸はいっぱい映るのに、これと言って目を引く美人が一人もいない。ただ、鑑賞後に気付いたのだが、『赤ちゃん泥棒』や『ピアノ・レッスン』の名優ホリー・ハンターが女学生の一人として出演している(しかも本作がデビュー作)。残念ながらモブキャラ的登場人物が多過ぎて、一体誰がホリー・ハンターなのか全然分からなかった。ちなみに役名はソフィーとのこと(誰?)。
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