えいこ

華氏911のえいこのレビュー・感想・評価

華氏911(2004年製作の映画)
4.1
やや偏向はあるもののマイケル・ムーアらしい構成で、9.11前後のアメリカの欺瞞を次々晒していく。

初めのうちはブッシュの呆けた表情やあまりに軽い言葉に失笑したが、国民の姿や思いなど全く眼中にない身勝手な為政者ぶりに忽ち笑いは失せる。支配層はいつも安全な場所で富を分け合い、貧困層は何も知らされないまま前線に押し出され命を差し出す。もちろん謂れなき戦争を仕掛けられたイラクの人々もまた犠牲者。知らされないとは何と怖ろしいことだろう。

しかし、自由と民主主義の国アメリカだからこそ、この作品も存在する。今の日本はどうだろう。コロナ禍で不安や恐怖を煽り、矛盾したメッセージで、知らない間に我々は操られていないだろうか。真実を見誤らないようにしなければならない。
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