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華氏911のAのレビュー・感想・評価

華氏911(2004年製作の映画)
4.0
この映画に対し「信憑性に欠ける」という意見が散見されるが、これよりもっと信憑性に欠ける馬鹿げた陰謀論を説いた「911ボーイングを捜せ」(2023,34)というアホが作ったとしか思えない映画を観た後だったので、それに比べると大変説得力があると個人的に感じた。

政府高官がサウジアラビアから投資という形で30年間にわたって年間14億ドルを送られていた恩義から、ビンラディンをアメリカ国外へ逃したというのは俄かに信じ難いが、作中で語られた「戦争の目的が勝利でなく続けることにあること」「戦争をすれば儲かる人間がいること」「戦争(アメリカ自由)のために差し出されるのは戦争を決めた人間ではなく、明日の生活を保証されていない貧しい人々であること」という言葉。これらは事実と考えていいと思う。

2時間に及ぶ映画だが、あまり飽きない。そして、金を得るためなら手段を選ばない上級国民とそのツケを払わされる一般の人々が現実にいるということを知るために、私たちはこの映画を見る必要があると思う。

2023(35)
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