木蘭

淫獣の宿の木蘭のレビュー・感想・評価

淫獣の宿(1973年製作の映画)
2.5
 当時の日本人が抱くスウェーデン幻想(フリーSEXとか、金髪青年のBLとか...)を全部盛りして、和風の出し汁で煮込んだ様な作品。

 一見、レイプリベンジ物と思わせて・・・ポンコツ脱獄囚3人組が人里離れた館に迷い込んだら、そこはインモラルなトンデモ家族が住んでいて・・・という話。

 写っているのはスウェーデンなのだが、音楽や物語の展開、ラストシーンに至るまで、全てが悲しいまでに和風。わざとなのか?
 そうかと思うと、不必要にボカシが画面を覆うのだが、途中で・・・ああ、これは洋ピン映画の雰囲気を出そうとしている演出なんだな・・・と分かったら、楽しくなってきた。

 シリアスな話と思わせて、ユルいキャラが出てきたり、コメディチックな展開になったりするあたり、日活ロマンポルノっぽいかな。
 脱獄囚を演じる男優たちはムチャクチャ体張って頑張っているのに、演出やストーリーはヌルい。
 そうかと思うと、銃撃シーンだとか格闘シーンだとか、そういった動きのある場面では、ムチャクチャ切れが良いんだよな・・・。

 一番の見所は、飼い犬のシェパードの困惑しながら撮影につきあっている、所在なさげな顔。

 ・・・スウェーデンまで行って何を撮っているんだ?
木蘭

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