物語は後半に。
冒頭で、この物語の結末が語られ、どのような展開でそうなっていってしまうのか、とても興味深く鑑賞できました。
それぞれの胸に秘めた想いを乗せて『太平輪』は海を走る。
雅子(長澤まさみ)の日記から明らかになる、ザークン(金城武)との二人がすれ違うまでの過去が切ないピアノの音色と共に回想され、募る想いが描かれる後半。
前半のシーンが後半でより深く描かれいるので、置かれている状況がより理解できるようになっています。
この時代、上海では治安も悪く、女性は一人で生きていくのも大変な時代。
これから起こる悲劇を知らず、台湾へと移住の地を求めて船にのりこむ人々。
物語後半はまるでタイタニックのような展開でしたが、この作品では国民性が赤裸々に描かれ、人の救命胴着を奪おうとしたり、相手が子供でもお構いなしに、我先に助かろうと必死な姿が描かれています。
そしてチャン・ツィイーの泳ぎっぷりがお見事でした。
チャン・ツィイーと、ソン・ヘギョが美しく、イーファン役のホアン・シャオミンがとても美形なのが楽しめたポイントでもあります。
雅子をずっと想い続けたザークンとの回想シーンや、雅子のザークンへの気持ちを綴った日記がとても素敵で、それぞれの登場人物が大変な時代を強く生きた姿が描かれた壮大な作品でした。