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コーヒーが冷めないうちにのぺぷのレビュー・感想・評価

コーヒーが冷めないうちに(2018年製作の映画)
2.1
原作未読で観ました。
インスタントな感動と無責任にポジティブなメッセージが鼻につく。いまいちノレませんでした。
登場人物はシナリオをなぞるだけで、彼らの個人特性や考え方に対する解像度はまるで深まらない。オムニバス形式で4人の主人公が登場しますが、いずれの主人公にあっても1人の時間であったり、1人称視点での描写がかなり少ないと感じました。
タイムスリップ先の時間に捕らわれた幽霊が読んでいる小説が、いつも時間を扱ったSFもの、という小道具の使い方もよくわからない。自身の存在の比喩として持たせているのであればとても安直だし、もしかして本当にそうなのでは、と思ってしまうほど登場人物に対しても設定に対してもチープなつくりでまったく誠実さを感じませんでした。
…とはいえ、そういった作品でありそうなことはポスターなんかを見れば分かるし、それを踏まえたうえで今回鑑賞しているので、最初から観なければいいじゃん、と言われると、もうまったく仰るとおりです、としか答えられません。気軽に前向きになれて、感動もしたいときって確かにあるのかもしれないので、そういった意味では誠実なのかな、とも思いました。
映画という形を選んだ理由は表現媒体としてそれが適していたから、というよりはもっと別の理由があったのだろうと察します。長い2時間だった。
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