ベルサイユ製麺

7ミニッツのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

7ミニッツ(2014年製作の映画)
3.3
タイトルに“ミニッツ”が含まれている作品にはハズレが無いように思えます!『イレブン・ミニッツ』、『ミッション・8ミニッツ』『15ミニッツ』…。確かに“イヤー”や“セカンズ”も悪くないですが、やはりミニッツを推していきたい!

新たな名作“ミニッツ”なるか⁈
『7ミニッツ』!

通りに面した小さな事務所に、白昼堂々と踏み込む3人の強盗達。みな白い仮面で顔を隠している。事務員達を銃で脅し、何やら物色していると、奥から出てきた男が強盗の1人に声をかける。「サム!」
“サム”。3年前、サムはアメフトの花形選手だった。誰もが彼をヒーローと呼んだが、今は仕事も無くブラついている。実は気の小さい男で、今は地元のクズたちとつるんでいる。挙句…。
そのクズの1人、“オーウェン”。強盗の中で一際目立つガタイの男。ムショ帰りで父親が絵に描いたようなホワイトトラッシュ。オーウェンとサムたちはダグに会いにいった。
“ダグ”。全身タトゥーだらけのプッシャーの元締め。金に困って彼の仕事をする事になったが…、サツにビビったオーウェンがクスリを丸々棄ててしまい、莫大な借金を抱えてしまう。しょうがない。強盗でもやるしかない。7分で終わらせよう…。
現在。強盗の現場、踏み込んで来る小太りな警官、“ジェローム”。彼とは顔馴染みだ…。

現在進行中の強盗。止む無く強盗に入った主人公たちと、そこに居合わせる人物たちのバックボーンを個別に描き、それらが絡み合いながら物語を紡いでいきます。…と書いてみると結構面白そうですね。つまらなく、は、無いですよ。
この作品、物凄く『トレイン・スポッティング』の影響を受けております。各キャラクターのパートに入るタイミングで画面に被さってでっかく『SAM』とかいちいち出るのですよね。あー、ソレやりたかったのだろうねー!更に、超絶汚いトイレに手を突っ込んで錠剤を拾うシーンとか有って…、リスペクトが凄いよ‼︎
映画全体はスピード感も有りますし、なかなかよく出来ていて、まるで初期レフン作品みたい。意外な掘り出し物という感じでは有りますが、いかんせん小粒感は否めない。
この手の一風変わったクライムサスペンスは、バジェット以上に、何か精神的な余裕、人を食ったセンスみたいな物を持っていないと、ある一定以上の出来にならないのかもしれませんね。まあでも充分楽しめましたよ!堂々たる佳作、グッドミニッツです。
ホワイト・トラッシュが困って足掻いているのを見るのが好きな方、おススメです!(←居ますよね?)