kirito

ラのkiritoのレビュー・感想・評価

(2018年製作の映画)
3.1
【引換】

「また一緒に音楽やろうよ!!!」

1年前に解散したバンド「LACTIC ACID」。
直接の原因を作った元ボーカルの慎平。元親友の黒やん。
慎平の誘いで黒やんは再結成を約束するがその前に一日で300万稼げる仕事を手伝えと言われて・・・

最初に断っておくと、これはバンド再結成の物語ではないしさわやかな風が吹いてくるようなバンドマンの物語でもない。

「生まれ変わるんでしょ。だったら出産祝いじゃん」というお母さんセリフ。
確かにこれは成長譚というよりは「誕生の物語」でもある。

主人公は基本的に最悪。バンドマンはこういうイメージというイメージ像を具現化したような存在で、ミクロレベルで感情移入できない。一緒に住んでいる公務員のゆかりちゃんに養ってもらいながら、ゆかりちゃんのことをうっとうしくも思っている。お金を貸す度に指印を押すシステムのゴールは「結婚」という理解不能なルールでありながらもそれがカップルとして成立している不思議。(とはいえゆかりちゃんも相当の依存体質だし、お母さんの息子にあげた煮物を静かに捨てるという問題な面もある。)

300万稼げるという明らに犯罪のにおいしかしない仕事に関して特に聞きもせず、黒やんについていくだけの主人公にこれまた腹立たしくなる。

本作の題名「ラ」の意味。それこそがこの映画の本質だけれども、個人的にラストを観ても、この幸せは1年も続かないと確信する。絶対にうまくいくわけないこの二人は・・

※中出しダメ絶対!

2020.4.21
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