ぽち

あなた好みののぽちのレビュー・感想・評価

あなた好みの(1969年製作の映画)
2.9
ヒロインが渥美マリなのでそれなりにお色気を前面に出してはいるが、基本的に子供向けのようなストーリーで、昭和風味を楽しみながら童心に帰ってみるとテンションが上がる作品。

ギャグを含めストーリーが子供向けのようになってしまったのは監督の持ち味か?
これが良い方に出ると「ガメラ」になるのだと納得した。

時代的に5作目の対ギロンと同年なので、今作でも特撮を使ったシーンがあっても良さそうなものだが、そこは予算と作品カラーのため入れなかったのだろう。

元が奥村チヨの「恋の奴隷」をモチーフとしているので、今から見るとフェミの方が発狂しそうな内容だが、そこが昭和らしいところでもある。

見どころはその美しさでもっと活躍してほしかった奥村チヨと、伴淳三郎のいい加減な味のある演技だろう。

昭和世代は楽しめる作品。



余談。
主役の川崎 敬三だが、どうしても「アフタヌーンショー」のイメージが強すぎて、このチャラ男が違和感ありすぎ。笑

よく考えてみると1969年なんてウーマンリブの真っただ中。もちろん作中でも「強い女性」を生徒がうったえていたが、今作より、そのモチーフである奥村チヨの「恋の奴隷」がよく発売できたなと感心してしまう。

想像するにウーマンリブの活動やそれに賛同する人より、当時でいう「普通」の女性を目指していた人の方が圧倒的に多かったのではないだろうか?

これって、結局今の構図とまったく変わっていない気がする。
大声で騒ぎ立てるマイノリティーが主流だと勘違いしてしまうのは、時代が違っても同じって事かな。
ぽち

ぽち