いののん

アイネクライネナハトムジークのいののんのレビュー・感想・評価

3.7
伊坂幸太郎の本は読んできたし(ただし全作ではない)、それが映画化されたら、なるべく映画館で観てきた(全作ではない)。過去作は、借りて観てきた。この「アイネクライネハトムジーク」も、刊行された時に図書館で借りて読んで、文庫本になってから購入して、最近再読したところ。伊坂幸太郎と斉藤和義の対談本も読んだことがあって、原作や曲ができた経緯も、ちょっとだけ知っている。


♪自分の仕事がいちばん辛いと思う奴にはならない♪
この歌詞がある「ベリーベリーストロング」が流れなくて残念。そのかわりに、自分で心のなかで歌ってしまった。「ベリーベリーストロング」は流れなかったけれど、せっちゃんがこの映画の為に作ったらしい「小さな夜を」という曲が登場した。その曲の一節には、以下のような歌詞がある。
♪小さな夜 劇的じゃないけれど 風は緩いけど♪ 
劇的じゃなく、「どこにでもあるような ちっぽけなこの夜」のお話。連作短編集である原作の繋がりの良さが、映画ではうまく繋がってないような気がした。1番好きなお話も、原作には及ばなかった。それでも、恒松祐里さんや萩原利久の成長ぶりもうれしかったし、リングサイドでウィンストン小野を支える2人の登場にもほっこりした。多部ちゃんは可愛いし。ウィンストン小野を演じた人も良かった。あと、藤原季節が出てくると、映画が締まると思う。が、原作には到底及ばず。(あくまで私がそう感じるだけです。)でも、これからも、映画化されたら、きっと観に行っちゃう。伊坂作品、好きなんだ。
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