うにたべたい

アトランティック・リムのうにたべたいのレビュー・感想・評価

アトランティック・リム(2018年製作の映画)
4.0
アサイラムのロボット映画『バトル・オブ・アトランティス』の続編。
逆張りレビューかと後ろ指さされかねないことを承知の上で書きますが、面白かったです。
前作も悪くなかったのですが、本作は前作以上にドラマも怪獣特撮もうまくできていて素晴らしかった。
低予算で有名なアサイラムですが、これは結構お金をかけたんじゃないかと思います。

前作から数年後、同様の驚異の襲来に備え、人類は巨大人形兵器"アルマダ"を準備します。
3体のロボット、3人のパイロットが、本作は訓練されており、いつでも命をかけて出撃できる準備が整っていましたが、前回以降怪獣は現れないまま平和な日々が過ぎていました。
そんな折、突如、怪獣から巨大な怪獣が姿を見せます。
搭乗者の思念と実際の動作にタイムラグがあるなど、欠陥が多いアルマダだが、現れてしまった怪獣に対し修正をかける暇もなく、3名の兵士はアルマダで出撃するという展開です。
本作の主人公はこの3名の兵士ではなく、退役させられたロボット工学の権威者「ロス博士」となります。
3体のアルマダは前作同様カラーリングで分かれていますが、お話的にも前作のような戦隊ヒーロー感はないので、ロボットの区別に意味はないように思いました。
また、人が直接乗り込んで操縦することは同じですが、搭乗者のモーションに合わせてロボットも動作していた前作とは違い、本作ではレバーのようなものでロボットを動かしている様子で、パシフィック・リムっぽさは前作以上に感じられなかったです。

登場した巨大怪獣が街で暴れまわるCGが目を引きました。
また、倒された怪獣から人間より一回り大きいくらいの生物が大量に放出され、人々に襲いかかるシーンがあり、驚異的でした。
低予算特撮を好んで観ている私からすれば十分迫力のある映像にみえましたが、大作ばかり観ている方には安っぽく映るのかもしれないです。
怪獣がロボットの外壁を突破し、搭乗者に直接襲いかかるシーンも素晴らしかった。
さらに本作の怪獣は合体したり融合したりするので、モンスター映画好きには楽しめる作品だと思います。

ただ、ラストが微妙です。
ラスト直前までは結構盛り上がったのですが、最後は結構"いつの間にか倒されちゃってる"感じがありました。
あそこまできちんと作ってくれたのだから、最後は大爆発して口づけして終わるくらいの盛り上がりが欲しかったです。
加えて、怪獣が地球上の生物と異なる系統をした進化をしていることより、宇宙より飛来したのではないかという話が出るのですが、その正体については最後まで明かされないまま終わります。
前作も今作も怪獣が海底から来ているので、海底にブリーチ的なものがあるのか、是非次回作で掘り下げて欲しいですね。