お洒落でせつない
アカデミー賞短編アニメーション部門でノミネートされた今作。
フランスのストップモーションアニメ
小さな僕にお父さんが教えてくれた鞄の事。
出張の多い父が息子に教えたスーツケースのパッキング。
「綺麗に荷物を入れるには?」
子供にとっては物が大きく見える。
怖かった中型犬が背が伸びると大きくなかったり
遠いと思っていた道が大人になってから歩くと意外に短かったり。
そんな普段忘れている事を思い出させてくれた。
この主人公の少年も最初は「荷物の海」に溺れるようにパッキングが難しい。
一人で動く靴や靴下
うまく行かない。
持て余し、手に追えない焦り。
少年は成長とともに荷造りが上手くなり、「スペース」の使い方が容易になってくる。
家を空ける事が多い父親は鞄を開ける瞬間に息子の温もりを感じられたのだろう。
「鞄の荷物」は離れた手渡し。
ズレた時間で“手”のコミュニケーションが出来る。
仕事先で家庭を思い出す瞬間。
ラストはなんとも言えないせつなさでじんわり来た。
車が鞄のファスナーになるシーンが印象的で流石フランス。