ジェイティー

家へ帰ろうのジェイティーのレビュー・感想・評価

家へ帰ろう(2017年製作の映画)
3.7
家を売り、老人ホームに入る予定のアブラハムじいさんは70年前にホロコーストを逃れ匿ってくれた親友のために仕立てたスーツを持ってブエノスアイレスからポーランドへと旅立つお話。

短い作品ながら非常にグッとくる描写や心を揺さぶる場面が多々ありました
ポーランドへ行くためにドイツに足を踏み入れたくなかったり、ポーランドと口に出したくないなどおじいさんが戦争で経験した事を考えるととてもつらいのですが中でも列車の中でドイツ語に囲まれてしまう場面はおじいさんの精神的苦痛が良く分かるところかと思います。
また、周りの戦争を経験していない次世代との温度差を感じてしまう場面は観ていて嫌でした。
これは当人にとっては重大でも周りはそれを同じように理解できないという他にもあてはまるケースだと思います。

こういう作品を観ていて思うのは映画は演出や見せたいものが明確であれば90~100分で十分なんだなぁと考えてしまいます。
映画は言葉だけではないと改めて思う次第です。