カレン

ともしびのカレンのレビュー・感想・評価

ともしび(2017年製作の映画)
3.5
シャーロット・ランプリングの
ひらがな4文字3部作
「まぼろし」「さざなみ」
そして本作「ともしび」

私はヴェネチア、金の獅子とは相性が悪いのだが
こちらは引き込まれてしまった。

しかし、わからない映画だ
とにかく意味不明

長年連れ添った70代の夫婦が

突然!
夫の逮捕···なぜ?
息子の態度···なぜ?
ドア越しの罵声···なぜ?

なぜ?は一切解き明かされることはない
想像にまかせるしかない

アンナ﹙ランプリング﹚の日常が淡々と描かれる
セリフも少なく
伏線もなし

でも私は観入っていた
いや、彼女の生活を覗き見するような感覚にとらわれていた

私たちだって
過去や現在に様々なことを
抱えて生きている
でも、それを
いちいち言葉にするだろうか

殆どの人が、ただ淡々と日々
生活をしているのではないか
いや、そうするしかないのだから仕方ない

ランプリングさんはすごく
辛いときも辛い顔はしない
内面が滲み出る?
そんなものではない
日常の人間そのまま

または
人間、理性ではわかっていても、感情はそれについていけない時がある。
そんな気持ちも無理なく表現できる人

3部作の中で
この作品が一番、難解だった

今まで、始まり10分で
停止ボタンを押すこと
数知れなかった私が

なぜか惹き付けられた

「人間とは見た目だけでは、はかり知れないもの」が唯一の感想。

自然に演じ、自然に脱ぐ
カレン

カレン