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ばらの花とジョーのmitakosamaのレビュー・感想・評価

ばらの花とジョー(1977年製作の映画)
3.4
泣ける。やなせたかしの描く童話のしんみり具合がたまらん。
犬のジョーはバラの花に恋してる。カラスが花を狙うが必死に戦い守るジョー。

犬と花との悲しい恋物語。
まず犬のジョーのハードボイルドさよ。友達が居なく花にのみ心を開いてるのが悲哀を感じる。
そもそもジョーって名前が強そうだもんな。可愛い子犬キャラのイメージより西部劇のガンマンのような、ギャングと戦う一匹狼のような雰囲気あるよ。

花だけど擬人化した姿も見せる薔薇ちゃん。やなせ絵のセクシーさもあり、ちょっと悪女っぽい魅力も感じる。
これも場末のクラブの歌手みたいな雰囲気漂う。

メルヘンの程をなしているが、話の大筋をギャング映画に当てはめても成立する。
ビターな物語構成が、子供向きながらも大人っぽいニュアンスに繋がる。

メルヘンの表現もアイデア満載。雪山の雪が白い帽子だったり、草原の雪が布だったり、カラスが空を突き破って登場したり。
オブラートになっているメルヘンの描写もしっかりしてるから素晴らしい。
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