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博士と狂人のasaのレビュー・感想・評価

博士と狂人(2018年製作の映画)
4.7

辞書編纂に係る話、という前情報しかないまま観に行ったけど、「博士」と「狂人」の人間的な部分への踏み込みが深く、なおかつそれがストーリーとして無駄なく展開されていて、テーマ自体は難解だけどとても見やすく2時間惹きつけられっぱなしだった。静かな画・目立つ脚色がない、という点では地味な映画と言えるかもしれないけど、そういう要素がとことん効果的に反映されていてこの映画の世界観を一層濃いものに作り上げているな、と。

ベアー・マクレアリーの作り上げる、美しい中に拭いきれない切なさをもったあの音楽は、本作を包みあげるものとして最高だった、、。

言葉に対し敬意と愛情をもって接している2人のセリフは聞いててとても心地よく、満たされた。言葉を定義することの難解さは重々承知してたけども、私たちの生活を説明する全ての言葉をまとめあげようと奮闘した彼らの努力に胸が熱くなった。
博士の奥さん役のジェニファー・イーリー。『高慢と偏見』のエリザベス・ベネット役で見覚えがあったから、そんな彼女が演じる役なら才気と寛容さをもって博士を支え続けるのだろう、とのっけから安心して見れた◎
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