ヨッシー

博士と狂人のヨッシーのネタバレレビュー・内容・結末

博士と狂人(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ジャケ写のヒゲ面の二人がそもそも誰なのかもわからず、一瞬、草刈正雄か?とか思って見始めたら、メル・ギブソンとショーン・ペン。
作品紹介で辞書作りと書いてあるのに、冒頭は精神異常がありそうは、ショーン・ペンによるいきなりの殺人事件。
タイトルから、ショーン・ペンが狂人でメル・ギブソンが博士なのか?と見ていくと、メル・ギブソンは博士号どころか学位すらない、家庭の事情で14歳で学校を辞めている。
そんな二人が、どう繋がって辞書を作っていくのかと、もう疑問符だらけなのに、メル・ギブソンが辞書作りのために採用されたオックスフォード大学のお歴々は全員が協力的ではなく、彼の才能を利用してやろうと企んでいるものもいる。そこに加えて、ショーン・ペンが殺害した男性の未亡人も関係してきます。
様々な要素が散りばめられ、あっと言う間に作品に引きずり込まれました。
全部話していくときりがないので、一番良かったと思ったシーンの話をしますが、案の定、オックスフォード大学のお歴々は、メル・ギブソンの存在が邪魔になり、辞めさせるように仕向けます。
彼の去就を決める場に、メル・ギブソンの妻が単身乗り込んで来て、こう発言します。
「常識から外れた生き方も認めて欲しい」
「自分らしくあることを罰しないで欲しい」
過剰に常識的なオックスフォード大の教授陣では思いも付かなかった方法で辞書を作り、その協力者には精神異常をきたしているとはいえ、殺人の罪を犯したものもいる。
そんな常識から外れた、自分らしくある二人が、それまで誰も成し遂げられなかった事業を成し遂げようとしている。
言葉は柔らかいですが、お前らには出来なかったのに、そんな二人の邪魔をするなという強い意志、夫の仕事に対する姿勢への敬意、もっと言ってしまえば愛に満ちた、素晴らしいシーンでした。
他にも書きたい事は多々あるのですが、百聞は一見に如かず、御覧になって下さい。
自分的に8本目の満点、素晴らしい作品でした。
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