にくそん

また、あなたとブッククラブでのにくそんのレビュー・感想・評価

3.6
若い頃から気の合う友達4人で毎月の読書会をずっと続けているっていう、その設定から素敵。そんなこと、現実にはほぼ不可能だ。家族や仕事の関係で住む場所が変わったり、あるいは参加者間に摩擦が生じたり、なんらか続けられない事情が発生しそうなもんなのに。ジェーン・フォンダ演じるホテル経営者のヴィヴィアンを送り出すところで、女性同士の友情や連帯が一気に目に見える形にあふれ出すのが心地よかった。

読書会で官能小説の「フィフティ・シェイズ」シリーズを読み始めた主人公のダイアン(ダイアン・キートン)、出会ったばかりのイケメンや友達の夫に「何読んでるの?」って聞かれると、とっさに嘘の書名を言うんだけど、それが二回とも「モビーディック」なのが可笑しかった。

それぞれの恋人や夫との顛末も爽やかで明るくて、まあちょっと都合がよすぎるきらいはあるけどとにかく見やすい。「何しに来たの」「1セント硬貨を返そうと思って。君は何しに空港まで?」「1セントを返してもらうためよ」っていう、日本でいうトレンディドラマみたいなやりとり楽しい。

シャロン判事(キャンディス・バーゲン)が息子と元夫のダブル婚約パーティーで放つセリフもよかった。「愛は、意味がわかるまではただの言葉よ」とか「息子を誇りに思う。人を愛する勇気を持って、幸せになれる相手を見つけてきた」とか、本当に腹にあるものを素直に表している感じがした。「人を愛する勇気」って納得度の高い言葉だ。家に帰ってPinterestでキャンディスの若い頃の写真を見てうっとり。昨日観たんだけど、なかなかいい映画初めだった。
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