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ライトハウスのmuuのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.0
文学作品みたいなジャケットの変態映画。冒頭しばらく台詞がなく、いきなりおっさんの屁を聞かされてそこからも不快感が加速していくやばい作品。展開が全然読めませんでした。ネタバレなしの感想は目にしていたので期待と覚悟はしていましたが、想像以上の狂気っぷり。そして想像力、考察力を掻き立てられる作品でその点は個人的に好みでした。観終えた瞬間「終わった…、考察くれぇ…」と考察ゾンビになり、作中色々なメタファー的な表現や神話の要素が感じられた作品でした。

年配の灯台守と若い灯台守が嵐で孤島から帰れなくなりどんどん正気を失っていくお話。年配灯台守の横暴な態度にイライラが募る新人、そして年配灯台守が執着する灯台の灯りには一体何があるのか若者は気になりだして…。

独特の画角や白黒の画面等に引き込まれる没入感がある作品でした。映画館で観ていたらその晩悪夢を見そうだったので家で観て良かった。とくに灯台のウォー-ーという機械音に生理的な恐怖を感じました。登場人物のふたりの話がどちらもどうも信用できない、現実と幻覚も入り乱れていくようなシーンも多いので解釈は人それぞれありそうですが、私は欲望は恐ろしいものだという教訓のようなストーリーだったかなとも思いました。色々インパクトの強いシーンがありすぎてひとつひとつに意味を求めるのはなかなか大変だけれど、難しく考えなくとも感覚的にも十分楽しめる作品だと思います。狂気とギャグの紙一重な世界観を楽しめる人にはオススメの作品。
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