ホラーというイメージで見始めたが、全然ホラーではなかった。どちらかと言うと密室サスペンス。
とにかく不潔で不穏なシーンが続く。展開もゆっくりしており、集中していないと眠くなる。白黒映画のため細部が分かりにくいのだが、精液、糞尿、ゲロなどの表現があり俳優の風貌もどんどん汚くなっていくためそこはとにかく白黒で良かったと思う。
スクリーンのアスペクト比が狭いため、より閉塞感を感じられるところはかなり良く、またシーン切り替えの演出が計算されていて美しい。
当然だが全体を通して二人の会話しかない。最初から伏線が何かしら貼られているかと思ったが、そこまで重要な会話は少なく、観客に投げっぱなしな印象も感じる。後半は二人の飲酒量が増えるため、正確に描写できなくなるのもわかるが、もう少し説明は欲しかった。
吹き替えで見たため「環境音がでかい」という評判は体感できなかったが、櫻井孝宏の演技がとにかく良かったのでこれはこれで満足