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ライトハウスのsheepmanのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.2
全編モノクロ。トーキー時代の窮屈なアスペクト比やビンテージの撮影機材を採用するなど、未だ30代とは思えないロバート・エガース監督の徹底した懐古趣味(『めまい』とかヒッチコックの映画を連想したけど実際にはもっと古い作品を参照したみたい)にまず驚くが、その限定されたフォーマットからは現代の他のA24発ホラー作品のラインナップと並べても遜色ない確かな狂気が浮かび上がっている。過去の技法、ノウハウを現代の鋭い才能で再解釈することは大変意義のあることだと思う。
ポーをはじめとするクラシックな怪奇小説やフロイト的精神分析学、ギリシャ神話からの引用などが作品のムードを形成するのに重要な役割を担っている(詳しくは公式ネタバレサイトを参照)。ラストシーンのぶっとんだ美しさには脳が混乱し、本当に過去に撮られたオーパーツ的な作品なのでは?と錯覚しそうになる。
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