ひれんじゃく

ライトハウスのひれんじゃくのレビュー・感想・評価

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.0
ロバートパティンソンとウィレムデフォー目当てで見た。白黒で正方形の画面。シンプルに見慣れてなくてストレスな画面構成。だけど光が最も眩しく写るのは多分白黒映画。カラーでいつもの比率で見てたらまあこの切迫感は多分出なかっただろうな、と。

2人が段々おかしくなっていく様もそうだし、やばいはずのウィレムデフォーが時折「自分至って正気ですけど?お前大丈夫?」みたいな態度を取ってくるところに"狂人"を感じてしまいすげえ…と唸ってしまった。急に冷静になってロバートパティンソンを諭さないでほしい。お前もまた正気ではないので…

プロメテウスを彷彿とさせるシーンはおお…となったが知識が足りずなんでそのシーンを入れたのか謎。めっちゃプロメテウス的な絵面をぶちこんでおきながらプロメテウスの逸話をそれほどなぞろうとしていないように感じてしまい。元々なぞろうとも思ってなかったのかもだけど。トリトンからポセイドンからプロテウスからデイヴィ・ジョーンズまでとことん海に棲まう超自然的な存在がよりどりみどりで心躍った。クトゥルフが好きなもんで「古きもの」のワードを聞いたときには椅子を蹴って立ち上がったけど全然違いそうな雰囲気だったので着席。にしてもラヴクラフトが好きそうな陰鬱な狂気の表現が凄かった。ウィレムデフォーの鬼の演技がギラギラ。ふたりとも狂人の役がうますぎる。

話はそうなんだ…で終わったけど、海が持つ魔性的な面とその恐ろしさみたいなものは充分伝わった。カモメがあんなに不吉な使者みたいに見えたのは初めて。
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