カレーをたべるしばいぬ

ライトハウスのカレーをたべるしばいぬのネタバレレビュー・内容・結末

ライトハウス(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

1890年代 ニューイングランド
孤島で4週間の働きに来た2人の灯台守。
次第に狂気に呑まれていく。

■恐怖の種類
強度の高い狂気

■4:3のモノクロで撮影された映画
光と影の陰影が美しいが、カラーでは見るに耐えない演出が続く。4:3の大きさでしか映えない画角も意識されている気がする。より正方的なカットとか、視野狭窄的とか…

■鮮烈なコントラスト
正気と狂気が入り混じる。
夜はアルコールによってコメディ調になり、昼の方が思い切り狂気が発露する面白い作品。闇よりも強烈な光が効果的に作用する。

■曖昧な境目
苦手な人はかなり苦手な部類だと思う。
会話や生活は普通にあるものの話自体に掴みどころがなく、不可思議な点について説明の類は全くない。結末まで観ても判然とせず、複数の解釈が可能だがどれも憶測の域を出ない。
幻覚が写実的で、ファンタジーの域に入らないのもより怖い。

物語のキーポイントを分かりやすく演出しないため、どこから狂気に踏み入れたかも分からない。次第に狂ったとも取れるし、そもそも初めから狂っていた可能性もある。

平たく捉えれば「抑圧された過酷な環境に置かれた人間が狂気に陥る様子」だが、その描き方にこの映画の魅力が詰まっている。

■ラスト
個人的には納得

■総評
元気のない時は連続して観ない方が良い。
ウィレム・デフォーはここまで出来るのか…