ぽち

環状線の猫のようにのぽちのレビュー・感想・評価

環状線の猫のように(2017年製作の映画)
3.0
日本では取り上げられることがまずないローマの社会的格差をテーマに、ユーモアを交えそつなく描いた作品。

正直日本人からすると、移民による文化の違いとか、悲惨な格差などは身近に感じることはできないが、お決まりのギャップ描写が続くので、だいたいの感覚はつかめる。

そう、お決まりのギャップ描写というのが問題で、定番なので分かりやすいのだが、そこから作られる笑いは手垢のついた物となってしまっている。

テーマはしっかりしているので、それに関してはきちんと描けているのだが、もう少しエンタメに振って笑いを追求しても良かったのではないだろうか。

娘の交際がどうなったかも投げ出しているのは、オチとしてはちょっと物足りない。
2021年に続編も公開されているので、そこできちんとオチがついているのかもしれない。

続編まで観て評価したい作品だ。



余談。
アレッシオの母モニカの異母姉妹の双子が強烈なキャラクター。あまりにキャラが立っているので、この2人でスピンオフ作ればかなり面白いコメディが作れそう。
本当の双子なので、そのシンクロ率の高さがそのまま笑いに繋がっているのがおいしい。
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