Sachika

イタリアの父のSachikaのレビュー・感想・評価

イタリアの父(2017年製作の映画)
3.8
親子の愛情、信仰、自由、性的指向。
ゲイクラブで出会った妊婦のミアを助けたパオロは、思いがけず彼女とイタリア横断の旅をする中で、自身の生い立ち、現在、そして未来を見つめる事になる。

ルカ・マリネッリ演じる孤独な男、パオロの繊細な表情が素晴らしく、胸をギュッと掴まれる。
自由に生きていたい、母親としての自覚を持てないミアの我儘に翻弄されながら、
孤児院で育ち、母の愛を知らないパオロは、ミアと彼女のお腹の子供に愛情を感じていく。

「ゲイだから子どもは持てない、自然に反する」そう考えていたパオロ。
彼の元にやってきた奇跡は、彼に希望と家族を与えた。
タイトル、まさか!って思ったけど笑

ミアは自分勝手だけど、パオロの孤独を救ったのは確か。
家族や愛情、出産というテーマに加え、宗教やジェンダー問題まで問いかける傑作。
彼女のジャケットのバックプリントがマリア様なのもまた…
本当に自分勝手なミアだけど、妊婦なのにシャンパンを片手に、盗んだウェディングドレスでナポリの街を駆け抜けるシーンが素敵だなあ。
Sachika

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