ほとんどパイプイスに座ったまま2時間近く画面に魅入らせる大杉漣さんの演技力がもはや恐ろしい……。
犯罪や死刑制度について考えさせられる作品だが、これを観たからといって「じゃあ廃止にしよう」となるような単純なものでもない。
人間と動物の違い、イルカとブタの違い、世人と罪人の違い
この現実と真剣に向き合ってこそ、はじめて命について語ることができるはずだ。
わたしたちが歴史上ずっと抱えてきた課題について、答えを出すことはそう容易くない。
大切なのは考えるのをやめないことで、道徳や良識すらも常に疑いつづける必要があると再確認できた。