YosukeIdo

ホワイトアウトのYosukeIdoのレビュー・感想・評価

ホワイトアウト(2000年製作の映画)
3.7
感想を以下ブログ「シネフィル倶楽部」にて掲載中。

■WHITEOUT
http://ameblo.jp/cinefil-club/entry-12239112644.html

懐かしの名作。

日本版『ダイ・ハード』とも言うべき佳作のご紹介!

自分の人生において、公開が待ち遠しくて待ち遠しくてたまらなく、「熱狂」という言葉が相応しいような、そんな温度感で公開を迎える作品がいくつかあります。

古くは『M:I-2』『マトリックス』『ローレライ』『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』『ダークナイト ライジング』『ジュラシック・ワールド』『007 スペクター』etc.、そして今は『LA LA LAND』

その一番初めが本作だったんです。

『WHITEOUT』
(2000)

自分の感性が反応し、そういう熱狂できる作品に出会うと、とにかく何か新情報が出る度にわくわくし、いち早く色んな情報を知りたい、制作の動向が気になる、公開が待ち遠しい、でもいざ観賞直前になると期待し過ぎてめっちゃ緊張する

個人的にそういう意味で思い入れの強い映画ですが、それとは別に当時の邦画界の状況を考えてもとても話題性が高く、且つ挑戦的であり、大きなプロジェクトだった事もあり今回あえてご紹介したいと思いました。

今大人になって観ると、色々粗やツッコミ所はありますが、当時子供の自分からしたらとても憧れた映画です。

洋画という入り口で映画ファンの門戸を叩いた自分にとって、当時全く元気がなかった邦画に対しては、物心ついた時から歯痒い気持ちを抱いていました。

「なんで日本ではこういう面白い映画がないんだろうか…」

ある時から、日本の映画界ももっと活気があれば良いのにと思うようになった自分にとっては、非常に歓迎すべき映画だった訳です。

その高いモチベーションがたたり、当時15,6歳の自分が旧・相鉄ムービルで朝の初回~夕方までの合計4回観続けるという、ぶっ飛び記録を打ち立てる事になりましたwww
(当時ムービルは入れ替え制ではなかったので、観終わった後も席を立たずそのまま続けて観てもよかったんです)

本作の犯人はダムに立てこもりましたが、私は映画館に立てこもりました。


長々とした身の上話になってしまいました。

さぁ、ここから作品のお話へ。
久しぶりにちょっと古めの作品をご紹介ですね。

「雪に守られた要塞と化した、日本最大のダム」
「人質に取られた下流全域の市民と全国の電力」
「要求額50億円」
「たった一人逃げのび、孤立無援で立ち向かう主人公。武器は地の利とダムの知識だけ」
「立ちはだかる自然の脅威────ホワイトアウト」

刺激的な文句が並ぶ本作。

ではでは、いつもの通りあらすじから参りましょう!

「ダム…は封鎖できちゃった」


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■『WHITEOUT』あらすじ
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舞台は、日本最大の貯水量を誇り150万キロワットの電力を発電する新潟県「奥遠和ダム」────。


辺り一面、雪に覆われた12月。

奥遠和ダムの作業員・富樫(織田裕二)は、同僚の親友・吉岡(石黒賢)と共に向かった遭難者の救出の途中、吹雪と霧で作り出された視界ゼロの世界「ホワイトアウト」に遭遇し、結果、吉岡を死なせてしまう。


それから2カ月後、吉岡のフィアンセ・平川千晶(松嶋菜々子)が奥遠和ダムを訪れた。
亡くなった吉岡が一度は見せたいと言っていた「冬の奥遠和」を、その目で確かめるためだ。


ところが────。

千晶がダムに到着したまさにその時、ダムと発電所がテロリストに占拠される。


宇津木(佐藤浩市)率いる犯人グループは、ダムの職員と千晶を人質に取って50億円を政府に要求。

拒否すれば人質を殺し、ダムを爆発すると通告してきた。


ダムが決壊すれば、下流域の住民20万世帯は一瞬のうちに洪水に飲まれてしまう。
期限は24時間。ダムに通じる唯一のルートは犯人グループが爆破しており、悪天候で警察は成す術もない。

絶望的な状況の中、辛うじて最初の難を逃れていた富樫は、ダムと仲間と下流に住む住民、そして何より亡き親友の婚約者を守るため、単身テロリストに闘いを挑むが─────。



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■原作
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同名小説となる真保裕一氏の「ホワイトアウト」は吉川英治文学新人賞を受賞した名作です。

映画化が発表されて急いで本屋に行って文庫を買った記憶があります。

これねぇ、まず原作がむちゃくちゃ面白いんです。

山岳・登山用語やダムの専門用語などなかなかイメージしにくいところもあるのですが、展開もスピーディー且つ緊張感があって、そのドラマチックな展開には泣かされました。

こちらも今まで何度となく読み返しており、
読み返す度に本作の原作の「読ませる力」はすごく、重厚で胸が締め付けられる展開に感涙必至です。

主人公・富樫の行動のモチベーションは親友・吉岡との約束を守る────吉岡の婚約者・千晶を助ける事なんです。

しかしそんな小説の内容に対して面白いのが、映画も小説も全編にわたって主人公とそのヒロイン的ポジションの千晶が「一度も」会話をすることがないという点。

主人公からしたら、後悔の念から絶対に会わなければいけない、助けなければいけない女性が千晶。
千晶からしたら、婚約者を死なせた事で憎しみの感情を持ち合わせた男性が富樫。

好き合っている訳では全くないけれど複雑でもつれ合った感情で惹かれ合う男女、ヒーローとヒロイン。

その設定にして、物語の中で一度も話す事をさせないというなんともニクい演出。
これって結構斬新ですね。それがねぇ、泣かせるんです。

そして、実はミステリー小説としての仕掛けもすごい。

何がすごいって伏線の張り方とその回収方法がすごい。

自分が小説を探す基準のひとつとしているものに、「このミステリーがすごい!」があります。

毎年年末に発行される、その年の小説をミステリーという基準を一つにランキング形式で紹介する「本のための本」なのですが、小説「ホワイトアウト」はそんな「このミス」の1996年の一位に輝いた作品です。

※余談
現在は「本のための本」も多数あります。その中で良い本に出会うには、その「本のための本」の「面白い」という基準が自分に合うかどうかが重要になってきます。

その点、自分はこのミスとは結構相性が良いようで自分の好きな作品たちにはこのミスの上位ランカーが多い印象です。

ホワイトアウト、容疑者Xの献身、葉桜の季節に君を想うということ、ジェノサイド、模倣犯、半落ち、新参者、ゴールデンスランバー、悪の教典、64、マークスの山、永遠の仔、レディ・ジョーカーetc.
>『このミステリーがすごい』歴代1位 受賞27作品 【国内編】

映画については織田裕二主演という事もあり、好き嫌いが出るところかとも思いますので、映画に興味がない方には是非この小説を読んでいただきたい!


小説の発行が1995年。映画公開は2000年。

当時はまだ小説や漫画の実写化なんて希少だった訳で、本作が映画化に漕ぎ着けるのにかかった歳月を考えると、そのプロジェクトが困難だった事が伺えます。

原作との相違点については挙げたら結構キリがないのですが、ストーリーや大枠の展開といった骨子は同じです。

登場人物や細かな点は、映画の尺や実際のロケ地となる「黒部ダム」に合わせて大胆に変更されている箇所もあります。


「ホワイトアウト」という物語自体は本当に素晴らしいので、これを読んで気になった方は小説だけでも是非読んで頂きたいです。

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■壮大なプロジェクト ~ 監督・若松節朗
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この当時、邦画のアクション大作は少なく、類い稀なビッグバジェットのプロジェクトだったんです。

そもそも舞台が「日本最大のダム」という設定なので、話は大きくなるしロケは避けられない。

その上、ダム関係者・テロリスト・一般人・地元警察・東京の本庁など、多彩な登場人物や登場場面を内包する「日本全体」を巻き込むスケール感のお話な訳です。

こりゃ規模が大きい。

製作費の準備や関係各所への許可・調整、観客を呼べるキャスト、撮影場所の検討など、困難が絶えない訳です。


そしてその「規模の大きさ」もさる事ながら、当時の邦画界の状況も難しさに拍車をかける要因となっていました。

自分が生まれる前、1980年頃までには『新幹線大爆破』『黒部の太陽』『日本沈没』『戦国自衛隊』など、現代を舞台にした実写大作はたくさん作られていて、年間の興行ランキング上位を独占していましたが、1980~90年代には、その地位はアニメ・戦隊モノ・怪獣特撮などに取って代わられます。

世間の流行や雰囲気が、本作の逆を行っていたんですね。

ただでさえ困難が付き物な映画制作なのに、どれを取っても公開にこぎつけるには多数の高いハードルが存在していました。

しかし、それら多数の困難を乗り越え、その状況に異を唱えるかのように邦画実写大作として製作の狼煙を上げたのが本作でした。

公開当時のインタビューで織田裕二や監督が、「海外に負けない”面白い”映画が日本にあってもいいじゃないか」「そんな、ワクワクするような作品を撮りたい!」という熱いコメントをしていた記憶があります。

実写で非日常のワクワクを表現する事から遠のいていた邦画界において、そういうスタンスの人たちがいる事が非常に嬉しく、その辺りの熱が当時の自分の感性のストライクゾーンに響きました。

どんな駄作に出ても、今でも織田裕二を嫌いになり切れない理由はこの頃の印象があるからだと思います(笑)


そして、そんな壮大なプロジェクトの舵取りを任されたのが、監督・若松節朗。

一番有名なところだと『やまとなでしこ』の演出家さんと言えば通じるかもしれません。

そういうライトなタッチの作品から、渡辺謙主演の映画『沈まぬ太陽』まで、幅広く撮れる方というイメージです。

他に印象的な作品だと『振り返れば奴がいる』『柘榴坂の仇討ち』『恋はあせらず』『お金がない!』『恋ノチカラ』『真夜中の雨』『美女か野獣』など、織田裕二や松嶋菜々子の代表作を多く手掛けてらっしゃいます。

若松節朗監督


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■黒部ダム
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極端なことを言うと、本作はこのダムでロケができなかったら絶対に日の目を見ることはなかったんじゃないかと思います。

最低でも、このダムでの撮影許可が下りなければ映画の魅力が半減していたと言って過言ではありません。


幾何学的なアーチを描くそのダムの壁が、他のダムと異なりなんとも言えない魅力的な造形美を放っています。

ダムの建設自体がとてもドラマチックで、それが石原裕次郎主演で『黒部の太陽』として映画化され、大ヒットした事は言うまでもないでしょう。

映画の中で「奥遠和ダム」として存在するこの黒部川第四発電所、通称・黒四ダム。

この映画が公開されたその年と昨年の二回、実際にダムに訪れた事があります。

映画でも実際に犯人達が警察への警告として始めた「放流」。

実際の黒部ダムでもシーズン中は「観光放水」として放流を行っており、生で見る事ができます。


目の前で起こる大瀑布は言葉で言い表せない迫力と壮大さがあり、一見の価値があります。

この映画で初めて「黒部ダム」を知った自分ですが、子供心にこのダムは「格好いい」、そう思った記憶があります。


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■「日本版ダイ・ハード」 ~アクション
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「日本版ダイ・ハード」

公開当時そういう表現をよくされていたのを覚えています。

テロリストによる特定の場所の占拠×孤立無援の主人公という設定からして、確かにその通りだなと思うし、そういう題材を日本でやれるというワクワクや期待感を煽る意味で、とても良い惹き文句だったと思います。

しかしそうは言いつつ、主人公が頑張る理由がどこか湿っぽいのが邦画らしくていいなと思います。

例えば名作『ダイ・ハード』で、主人公ジョン・マクレーンが立ち上がるのは当然といえば当然なんです。

イレギュラーな状況とはいえ、刑事であり事件に立ち向かい巻き込まれた人々を救う必然性がある「ヒーロー」な訳です。

日米で対比した場合、アメリカの主人公像然として、ある意味真っ当なものです。
(アメリカの歴史の中でいえば、ジョン・マクレーンもムキムキマッチョじゃない主人公(ヒーロー)だったという点において、歴史的な作品な訳です)

それに対して本作の主人公は、言ってしまえば「一般人」。
何かをする義務もなく、隠れたり逃げていていい立場のキャラクターです。

そんな主人公が勇気を振り絞って、もっと身近な理由から立ち上がる。

それが「亡き親友との約束」。

この湿っぽさというのは、ただのアメリカの真似ではない事を示す大事なポイントだなと思います。


そして「日本版ダイ・ハード」と銘打ってるからには、アクションもふんだんに盛り込まれています。
甘さはあるものの、頑張っているなというのが個人的な印象。

特にクライマックスはね、これすんごい好きです。
静と動の切り替えや、映像や盛り上がりがなかなかツボでした。


その中で特筆すべきが「銃と日本人」。

詳細は『アイアムアヒーロー』の記事でも書きましたが、日本人が銃を撃つ描写というのはなかなか難しいですよね。

アメリカと異なり、現実味がないからどうしても演出や脚本作成の上で難しさが出てくる。

アクションのキーアイテムとなってくる「銃を撃つ」という描写に対して、違和感なく、そして観客がきちんと感情移入できるように描かなければいけない訳です。

本作のその演出は秀逸でした。

富樫が銃を試し撃つするシーンの戸惑いや、初めて人に向けて発泡する瞬間の躊躇、撃った後の恐怖が描かれており、公開当時もとても感情移入しながら観たのを覚えています。



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■音楽 ~ ラストシーン
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本作のスコアを作り上げたのは、住友紀人氏。

『やまとなでしこ』『T.R.Y.』『アンフェア』『オリエント急行殺人事件』『デート ~恋とはどんなものかしら~』などを手掛けられている、非常にキャリアの長い方ですね。

本作のサントラねぇ、当時どれだけ聴き込んだ事か(笑)

▼サントラ楽曲一覧
1. Pledge of Allegiance
2. Camouflage
3. The Tunnel-No Way Out
4. Maze
5. Reminiscence
6. The Tunnel-Find a Way
7. On the Move
8. Pursuit
9. Young Pine
10. Theme of [WHITEOUT]

メインとなる旋律は2種類あって、M1「Pledge of Allegiance」とM10「Theme of [WHITEOUT]」になります。

旋律の特長としては、、、ちょっと合わない表現かもしれませんが「アラビアの砂漠」を思い起こさせるようなメロになっています。(M3,6,9など)

でもその広陵(且つ荒涼)とした「砂漠」のイメージの旋律を、シンセのテイストにのせる事で「砂漠」が「雪原」のイメージになっているのです。
これは今聴いても良く出来ていて面白い音楽だなぁと思います。

当時、日本国内の映像作品ではこういう大作に見合う壮大な感じの映画音楽は希少でした。
今でこそ佐藤直紀さんや菅野祐悟さんetc.、壮大なスコアを得意とする方が数多活躍されていますが、当時はそもそもそういう作品が少ないのだから当然ですよね。


サウンドトラックの最後のトラックとなっている「Theme of [WHITEOUT]」は10分の大作となっており、その楽曲が特に素晴らしい。

これは曲順と同じく映画のクライマックスを彩る楽曲なんですが、そのラストシークエンスだけでなく、そこからエンドロールの最後の最後まで通しで流れている曲となっているんです。

本作のラストシーンの秀逸さは、「台詞なし」のところにあると思います。

語り過ぎず、「音楽」と「女優の涙」と「積み重ねて来たストーリー」でエンディングを迎えるというのは、子供だった当時、とても大人な演出な気がして印象に残った記憶があります。

でもだからこそ、楽曲の重要性がより強くなって来る訳です。

10分の中での楽曲の盛り上がり方や構成はとても秀逸で、壮大なんだけど煩くなく、今でもエンドレスで聴いていられるスコアです。


それに個人的な好みとして、エンドロールでかかる音楽は歌ものよりは映画音楽(スコア)の方が好みです。
そういう意味でも、本作は最後の最後まで観ていて楽しかった記憶があります。


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■福田靖
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公開当時、そこまで映画のスタッフサイドの名前などについてはあまり詳しくなく、最近になって初めて知った事があります。

自分が好きな脚本家の一人に、福田靖さんという方がいらっしゃいます。

その方をちゃんと認識し出したのが『海猿』『龍馬伝』『HERO』『容疑者Xの献身』など、ごくごく最近でした。

そんな中、つい先日見返した時にクレジットを見て驚いた訳です。

エンドロールにはこんなクレジットがありました。

「脚本協力・福田靖」

これには驚きました。
最近になってこの人の脚本好きだ好きだと言っていたと思ったら、知らないうちに子供の頃からその人が関わる作品に惹かれていた訳ですからwww

もしかしたら名シーンとなるラストを生み出したのは福田さんかもしれません。



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■キャスト ~ 悪役・佐藤浩市
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・佐藤浩市
佐藤浩市の出演作で好きなのは、本作と『マジック・アワー』です。

それにしても最初ビジュアルを観た時はびっくりしました。
原作とあまりにかけ離れた見た目だからw


すごいビジュアルですよね?顔が分からないからよく事務所が許したなとw

原作では車椅子には乗っておらず、禿頭の中年おやじのイメージで登場します。

でもその変更が別に改悪になっておらず、むしろ映画オリジナルの仕掛けの一つになっていて、非常に好印象でした。

未だにあれが佐藤浩市だと知らない人もいるのでは??ってくらい、普段の彼からはビジュアルを変えていて、魅力的な悪役に仕上げてくれています。

個人的には計画が順調に進んでいる最中、拠点としているダムの制御室で、

車椅子を後ろにひき部屋の中央までスっと下がりながら、まるで自分の計画に酔いしれるように、両の手を広げて天を仰ぐ様は「ザ・悪役」!!!w

もうこのケレン味たっぷりなシーンがたまりませんw
一見の価値ありですw


・織田裕二
この方は『踊る大捜査線』の記事で紹介していますので、詳しくはそちらで♪



・松嶋菜々子
本当、お美しい。


子供時代や青春時代に、映画が好きだったのでアイドルとかタレントよりも女優さんが好きだった性分でして。
確か本作がきっかけだったとは思いますが、むちゃくちゃ惚れ込んだ時期がありました。

『やまとなでしこ』『魔女の条件』『百年の物語』『WHITEOUT』『救命病棟24時』『利家とまつ~加賀百万石物語~』『オリエント急行殺人事件』

これらはどれも好きな作品ばかりです。

先日も連続TVドラマ『砂の塔』の演技が話題になっていましたね。
チラっとだけ観ましたが、銀座のママ的な和装が貫禄ある美を放っていました♪

またラブコメとかやってくんないかなー。


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■小話(書きたいだけ)
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・カットされたシーン
DVDに収録されている未公開シーンの中にあるシーンがあります。

本編終盤の方で松嶋菜々子演じる千晶が、正当防衛でテロリストに向けて発砲するシーンがあります。


本編では発砲してテロリストを倒したところで次のシーンに切り替わるんですが、実は続きがあって撃った後の松嶋菜々子をずっと長回しをしているんです。

覚悟はしていたものの、発砲のショックからその場で硬直し動けない千晶。
正当防衛とはいえ人を殺めてしまったことから、彼女の頬を一筋の涙が伝い落ちる────。

非常に良いシーンです。

これはね、シーンにさらに説得力を持たせる意味でも
切ってしまったのが勿体なぁと思ったシーンでした。

・cdmaOne
昔の携帯事情を知っている人はこの名前にぴんと来ますかねw

これは今でいう3Gや4G LTEなどの前の世代の通信規格の名称で、それに倣って言うなれば2.5Gといわれる世代のものです。

当時のIDOやKDDIセルラーグループ各社(現au)が導入しており、映画でも中盤のシーンで結構大きく登場します。

実はそのIDOのCMに当時織田裕二が出演しており、話題になっていましたw

・AK-47
通称・カラシニコフ。

何かというと、本作でテロリスト達が用いるロシア製の自動小銃です。
この銃が使われるという設定は、原作でも同じです。


そして富樫の大きな武器にもなる銃。

なぜ素人の富樫でも簡単に扱えたのか?

それは単純に素人でも誰でも扱える銃だからです。

…その特性のせいで未だに内戦や戦争が起こっている地域では、一般人や果ては子供までがその銃を扱えるが故に手にしてしまっているそうです。
現実世界でも大量生産・氾濫しており、悪名高い銃の一つです。

・高橋一生
今人気がうなぎのぼり&大活躍中の彼が、なんと織田裕二演じる富樫の同僚役として出演しているのです。

出演時間や台詞、ポジションなど含めても結構大事なキャラクターです。

最近見直して認識したオドロキの事実でした。


・ゲスの極み、戸塚
もう笑っちゃうくらいゲス野郎が、本作の中にいます。

このキャラクター。


単細胞でキレやすくて粗暴で、男の欲望の塊みたいなキャラクターw

メインキャスト以外でむちゃくちゃ印象に残ったんですが、それを臆す事無く演じているのが、今でも多くの作品に出演されている橋本さとしさん。

どちらかというと舞台に多く出演されている俳優さんのようです。




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■あとがき
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他にもキーキャラクターとして出演している吹越満さんの演技や、スノーモービルでのアクションなど紹介したいポイントはあるのですが、長くなり過ぎてしまうのでここら辺でw


本作、当時の公開タイミングは夏真っ盛りの8月でした。

夏の興行に乗せたかったのでしょう。

しかし、本作は「厳冬」の物語。

せっかくならこの時期に観た方が雰囲気があると思い、このタイミングで記事を書いた次第です。

是非、気になった方はもちろん、「ああ!昔そんな作品あったなぁ」という方も機会があればご覧下さい。
YosukeIdo

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