ちぇりー

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へのちぇりーのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

結論から言おう。自分の学生時代にSNSがなくてよかった。いや、厳密にはあったが、mixiとか…恋愛至上主義のためによるSNS(※未使用ユーザー陰キャの偏見)
と!に!か!く!やってなくてよかった。

開幕早々いきなりオナニーで吹いた。しかも教室で。おいおい、アメリカの教育どうなってんだマジで。
さておき、私含め、内向的な性格をしている同志たちにはグッと刺さる作品だったと思う。

少し肌が荒れ気味のニキビ面、歯=命のアメリカにしては珍しく歯並びが悪く、猫背で常に下を俯いて歩いている。しかしSNSではライフハック的な動画で『クールな自分』を発信して自分を繕っている。

本作の主人公が受賞した『無口賞』についてだけど、物事は捉えよう。沈黙は金、というし、クールという意味も込められているかもしれない。
しかし、思春期真っ盛りの女の子にとっては不名誉な事としか受け止められなかった。

それからというものの、卒業間際に焦ってスクールカースト上位の女と仲良くしようとしたり、学校イチのイケメン(と思われる)高嶺の花と懇ろな関係になろうと目論んだり。アクセサリー感覚で人付き合いをするリア充の仲間入りを果たそうとアレコレ努力する。側から見れば黒歴史だけど微笑ましくもある。

外では無口受賞者の大人しい子なのに家では内弁慶なところも、ザ・陰キャ感が出て良い。
特にフェラ練習をネットでググったり、バナナで練習しようとしたり。これは思春期の女子なら誰もが通る道じゃなかろうか。ほとんどがぶりっ子こいて言わないだけで。
ちなみに自分は男性器をデッサンしたり粘土で作ったり、それでは飽き足らず3DCGで作成したりしていたが。
 

…脱線したところで。
「クールな自分」とは、自分の強みも弱みも含め、自分らしさを受け入れること。クールぶらない事。
と、自己啓発本ならどこにも載ってそうな気付きで話を締める。中学生でこの真理に気付くとは、ケイラちゃんは達観していて賢くて立派ですね。私なんか二〇歳そこらで気付いたというのに。
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最後に、言わせてください。
陰キャの何が悪い。内向的って可愛いだろう!内向的で陰キャだけど自分らしく生きるケイラちゃんクールで最高!!!皆も最高!!!