しんご

劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズのしんごのレビュー・感想・評価

3.6
30年以上変わらぬ愛すべき「ベタ」のカタルシス。夜8時40分くらいから悪代官一味が助さん角さんご老公に成敗されるのと同じく、この作品の悪もラストでは必ず冴羽獠に叩きのめされます。

ファンにとっては生唾モノの展開、選曲がズラリ。そうでない方も安心して楽しめる世界観は依然衰えず。公開初日たる本日8日、TOHOシネマズ新宿の初回(朝9時)の座席は老若男女の観客でほぼ満員状態。「冴羽獠」という男が現代においても大衆を魅了するキャラクターであることが改めて証明されたといえるだろう。

「また冴羽を演じないかというお話を一昨年頂いた時は不安がありました。けれど、オリジナルキャストの皆さんと芝居をしたら不思議ですね、感覚が20年前に戻るんですよ」...本作試写会で神谷明さんは上記の様に仰っていましたが、本当に役者さんの「憑依力」というかエネルギーは凄まじいなと実感。神谷さんは今年で73歳になられますが、スクリーンの冴羽が喋るとそんな年齢のことなど全て忘れてしまう。とにかく声が若くて当時見ていたあの冴羽のまんま。他のキャストも声変わらなすぎてびっくり。香の久しぶりのハンマーとそのバリエーションに観客から暖かい笑いが漏れる。

現代ならではのドローンを駆使した「死の商人」との激闘で冴羽のハードボイルドなアクションが大爆発、からのお約束のもっこり3枚目キャラも顕在で両者のバランスがよい仕上がりはさすがシティ・ハンターを知り尽くしたこだま兼嗣総監督ならでは。歌舞伎町、新宿駅南口、新宿御苑、花園神社など新宿のロケーションをふんだんに取り入れた画づくりも見所たっぷり。

渋すぎるOPから粋すぎるEDまでとにかく目が離せないアクション・コメディの「ベタ」を是非お楽しみください。ちなみに、TOHOシネマズ新宿での鑑賞をお勧めします。なぜなのかは本編で笑。
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