140字プロレス鶴見辰吾ジラ

劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

3.8
【変わらないモノ】

時代は令和へと移りゆくもシティハンターは変わらないと胸を張って彼らの世界を貫き通す粋な劇場版。先日「ダーティハリー」を鑑賞したが、ハリー・キャラハンが西部劇の生き残りなら、シティハンターの面々も昭和コミックの生き残りだ。これ見よがしに見せつける新時代。ドローン兵器だの武器商人だの。劇中で放たれる「変わりたくない。」のひと言は若くして大企業のCEOを努めるトニー・スタークのパロディへと向けられる。このご時世にハンマーでツッコミ入れるなんて古臭さすぎるし、今となってはセクハラだなんだと揶揄される一連の行動は何故か美化してよいと勝手に胸の承認がおりる。胸ポケットの拳銃で新時代を打ち抜く魂とダンディズムと忘れてならないスケベ心のエロティズム。新宿を舞台に追走と戦闘の否定されるリアリズムは荒野の魂を引き継いだシティハンターと劇場版としてのプレミアであるところのキャッツアイのアッセンブルに示される。ダンディズム溢れるひと言に重なるように流れ出す「Get Wild」は令和に変わるこの日々でも色褪せぬセクシーさがある。依頼人を演じた飯豊まりえ(キョウリュウバイオレットは最高や!)の舌足らずがベテラン声優の中で今を感じさせるも精神は昔のままのお持てなしに心はモッコリするわけだ。