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セラヴィ!のLCのレビュー・感想・評価

セラヴィ!(2017年製作の映画)
3.6
面白かった。

結婚式場のめまぐるしいお仕事とめまぐるしい人間模様。
でも本作、個人的には音楽が好き。
慌ただしくて、行き詰まって、はあもう流石にどうにも参ったねえと静けさが訪れたところで現れる音楽は、特に見てて表情明るくなっちゃう。
みんなでナプキン振り回すところも楽しい。ぐるぐるぐるぐる。「え、これに関してはちゃんと注文したやん…」な彼の髪をかすめてぐるぐるぐるぐる。

責任感強くて、だからこそ頑固で、でも少し肩の力抜いて周りに任せてみる。
イライラしたり戸惑ったりしながらも、みんなが彼に応えたことが、じんわり胸に広がる。
トラブル起きて、何とか持ち直しつつ、最後は「ありがとう」で終わる。

全部が注文通りにいかなくて、いやー怪我がなくて良かったねーでも言いたいことたくさんあるんだよねわかるよー。
でも…何だ、喜んでくれてるんだ、とホッとする。

需要の低下には気付いていて、やさぐれながらもカメラは手放せなくて、決めた、やりたかった道へ行ってみる、カメラと共に、と歩き出す。

本当に様々なドラマがてんやわんやのスピード感で展開される。
スピードの上げ下げがクセになる。
文法気になっちゃう系の彼の感性は、少し話してみたくなったりもする。私も言葉に関することに意識が向く性質があるから。
それにしても歩いて帰るの大変だ、碌に体休めてないままだろうに。見てただけの私もしっかり休みたい程のどったんばったんだったもの。

C’est la vie. それが人生である。
このフレーズは、諦めの文脈で使われる印象が強い。「仕方ない」とかが近いかも。
ただ、強い喜びの文脈でも使われる。
本作を見て、どんな文脈でこのフレーズを思い描くか、見終わった時に一息ついて味わうのが良い余韻になる感じの作品。

ではまた火曜日に!
LC

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