ポンコツ娘萌え萌え同盟

鞍馬天狗 横浜に現る/鞍馬天狗 黄金地獄のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

3.6
「バグダッドの盗賊」でモンゴルの王子を演じ上山草人が、「鞍馬天狗 黄金地獄」ではヤコブ商会のボスの西洋人、ヤコブを演じる。それに対するは我等が鞍馬天狗ことアラカン。実質元ハリウッドの怪優対時代劇大スタァの戦いだ。
しかし本作は新政府が樹立、時にして明治四年。角兵衛獅子の芸を行っても、曲芸団の行進に民衆を奪われ、文明開化の荒波を感じる横浜。
幕末に勤王志士として飛鳥の如く駆けた鞍馬天狗こと倉田典膳は何時もになく"ぼんくら"とした表層での登場だった。
しかし鞍馬天狗は死せず。杉作とのやり取り怪しいヤコブ商会の偵察から争いまで、幕末は過ぎ去れど依然としてヒーローの鞍馬天狗は今作でも存分に活躍。

物語は幾つか場面が飛んでいる感覚は覚えるも、映像は娯楽映画として良く出来ている。今にも撃たれそうな男と子供が風船を追う場面を交互に映した事件性の臨場感。時計を映して時間を意識した演出が序盤から拝めるし。
アクション面では殺陣もあるけれど、ただカットされた殺陣もあるらしいのが残念。それでも階段を下りながら殺陣の立ち回りやカメラとか十分見ごたえある。
他だと味方を連れた馬で駆ける中で相手の射撃に狙われる場面とかのスリルと迫力もそれなりによくできてるし、終盤の大勢の撃ち合いとかも十分