けーはち

ピラニアのけーはちのレビュー・感想・評価

ピラニア(1978年製作の映画)
3.3
「グレムリン」などのジョー・ダンテ監督の出世作。スピルバーグは「ジョーズ」の模倣作の中で最高と言ったそうだが、それは何かの間違いではないか😅とはいえ、安くパニックホラーを成立させる本作の手法は、本家「ジョーズ」以上に幾多もの泡沫作品に範を示したと言える。安さがバレるのでクリーチャーを中々鮮明に映し出さないのがポイントで、そのため泡立ちや影だけで表現できる、小型のピラニアの魚群をチョイス。それで水面下でバシャバシャ、ギャーッとなっても血が浮いてくる以外見えないから余計怖いという話になる。無惨な噛み跡が残る惨死体のメイクやドールも一瞬パッと見せてカメラをサクサク切り替えてしまい、決してまじまじと鑑賞させない。中盤はダレ場になるが、飽きさせないよう本家「ジョーズ」譲りの「人間は愚か」要素として人間同士の醜いイザコザで尺を稼いで間を持たせつつ緩急をつける。コンピューターによるVFXなどが使える現代では異なる面もあろうが、低予算映画の王道を征く佳作だと思う。