柳之貓

劇場版総集編 前編 メイドインアビス 旅立ちの夜明けの柳之貓のレビュー・感想・評価

4.2
アニメならではの美しくスケール感のある映像が魅力の作品。
アビスの淵から誘いの森までの、緑地と空が取り混ぜになった風景は、浮遊島といったモチーフで描かれる天空世界のようで、壮大で素晴らしい風景が広がる。

ただ、アビスは直径1000mばかしでは無いな、10倍はありそう。何たらの方舟のシーンでもそうだけど、距離感覚が甘めに言われ過ぎてる。

時間の関係から仕方ない事だけど、テレビ版よりかなり割愛されているのがとても勿体無い。
でも崖面の地層の様子とか、小物の描き込まれとか、相当に丁寧な画作りがされているのが再発見でき、もともとそのまま映画化出来るだけのクオリティだったのだと、改めて感嘆した。

リコはその持ち前の脳天気な性格から天然キャラっぽく描かれているけど、実際は勉強家で有能。明るくて元気な声で聞いていて心地良い。
マルルクも落ち着いた囁くような声で可愛いらしい…性別不詳だけど。
キウイの賢そうなんだけど舌っ足らずなのもカワイイ。この作品は全般に渡って声優の良さが遺憾なく発揮されてると感じる。
こう振り返ってみると、ここまでの時点では、不動卿オーゼンも含めみんな良い人ばかりな気がするな。その結局はみんな良い奴って認識でいると後半にやられるんだろうけど…

世界観は独特で、ナキカバネから不穏な感じが出てくるが、シーカーキャンプの2日目で決定的になる。ファンシーな絵柄だからこそ、視聴者が描写に耐えられるとは岡田斗司夫氏の言葉だが、逆にギャップがあるがゆえ却って強まるキツさもあるだろう。
覚悟を決めて、後半に臨みたい。

最後に、レグのアームはやっぱ長すぎ!
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