フランシスコ法王を追ったドキュメンタリー映画。
宗教を中心としたお話しかと思って少し構えていた部分もあるのですが、宗教と言う観点から今の時代を生きる人類が直面している諸問題をあくまで現実的かつ道徳的な観点からお話しされるフランシスコ法王。
僕が感じたフランシスコ法王の一番仰りたかった事は“調和”。
貧困、難民、過度な消費社会による地球への負荷、罪と赦し、分断。
そんな多くの問題を抱える現代社会の中で、みな兄弟である人類が思いやりの心を忘れずに手を取り合う事の大切さ。
貧しく謙虚に生き、傲慢さを捨て生きる事に真摯になる事の重要性。
それらがもたらす人類のあるべき姿。
はじめはそれらの言葉が綺麗事のように聞こえていたのですが、フランシスコ法王の言葉を聞いていく内にその言葉の持つ説得力と思慮深い考えに感動すら感じました。
特にフランシスコ法王の「人にとって大事なことは“自由”」「神を信じない事も自由」という言葉に内包されたフランシスコ法王の包容力とその懐の広さには感服するばかり。
別の宗教を信じていても、宗教を信じていなくても、一度は聞いおくべき素晴らしいお言葉であり、作品でした。