Ken

ローマ法王フランシスコのKenのレビュー・感想・評価

ローマ法王フランシスコ(2018年製作の映画)
3.7
2020年131本目。
フランシスコ法王のドキュメンタリー作品。
僕自身はキリスト教ではないし、宗教に関する知識は皆無です。
そんな僕にとってこの作品は、フランシスコ法王についてと言うよりも、キリスト教の偉いおじさんから見た世界に関するドキュメンタリーに見えた。

このような考えを持った人が法王になる時代なんだなって思った。国際化などによって発生する歪みに対して、人間として根本的に大切なことを思い出させられる。
いろいろな問題があるけど、人に考えを押し付けないとか、人の自由とか、耳を傾けるとか、作中では"シンプルな美"という言葉も出てきたが、本当に基本的なことを思い返させられるだけ。
でもそんな人が世界に必要だから、この人が法王になっているのだろう。



作中には結構生々しい映像もあった。ゴミの山でたくさんの人たちが物を拾ってるシーンとか、難民の船が難破するシーンとか。改めて見ると衝撃的だった。世界にはそういう問題が山ほどあるってことを思い返させられた。
ラスト直前は、トランプやプーチンなどの映像も挟みつつ、世界の危機感を感じさせられた。

しかしラストシーンでは、笑顔とユーモアの大切さを取り上げる。素敵な締め方だった。

この作品を見終えてキリスト教っていいな、ではなくてフランシスコ法王の原点に帰るような素朴な考え方が素敵だなって思った。
Ken

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