【第70回カンヌ映画祭 アウト・オブ・コンペティション部門出品】
『戦場のピアニスト』ロマン・ポランスキー監督×『夏時間の庭』オリヴィエ・アサイヤス脚本の作品。カンヌ映画祭アウト・オブ・コンペティションでプレミアされた。
なるほどポランスキーとアサイヤスが合わさるとこうなるのか…!端正なミステリーという完成度は流石ポランスキーだし、適度に謎を残すという点はアサイヤスっぽい。
スランプに陥った作家が一人のファンと名乗る女性に出会い翻弄されていく。彼女は何者なのか、作家に何があったのかを追っていくミステリー。
出会う女性を「エル=彼女」という名前にしたのがすごくいい。演じたエヴァ・グリーンの妖しげな魅力も堪らない。女性同士の関係性だからこその妖しさがいい。
過不足なくミステリーを語っていくその手腕は確かで、全てを解き明かすことはしない上品さがある。この結末は賛否あるだろうけど僕は好き。
ポランスキーの妻でもあるエマニュエル・セニエも絶妙な演技をみせていてよかった。100分でまとめてくれたのも含めいかにもフレンチ・ミステリーの小品という感じで好き。