リラリオ

もうひとりの私のリラリオのレビュー・感想・評価

もうひとりの私(2016年製作の映画)
3.0
EUフィルムデーズ2018にて上映されたギリシャ映画。
アテネで発生した連続殺人事件。
現場には、血文字で書かれた古代ピタゴラスの引用が残されていた。
捜査協力の依頼を受けたアスペルガーの犯罪学教授が、複雑に絡み合う連続殺人事件の謎に挑む!

物語は…交通事故から始まる。
30歳の誕生日を迎えたクリオは、バースデーパーティーの帰り道、恋人のマントスからプロポーズされる→「残りの時間を一緒に過ごしたい…」→驚くクリオ→「何か言ってくれ…」→「もちろん、YESよ!」→「愛してる…」→「私もよ♥️ベイビー…」→二人は熱いキッスをかわす…
次の瞬間!!
猛スピードの車が二人に突っ込む。
幸せ絶頂の二人に悲劇が襲う…

犯罪学教授のディミトリスは、ある殺人事件の捜査協力を依頼される。
殺害されたのは医師のアレクシス・パパス。遺体は喉は切り裂かれ、手にはナイフが突き刺されていた。そして、床には被害者の血で書かれた古代ギリシャ・ピタゴラスの引用、被害者の胸ポケットからは封筒に入れられた220ユーロが見つかる。

手がかりが何も見つからないまま、また新たな殺人事件が発生→被害者は弁護士のアルギリオウ→殺害された場所はホテル、ベッドに縛りつけられ、舌を切り落とされていた→そして壁には、血で書かれたピタゴラスの引用が…→「こりゃ同一犯だな…」→「だな…」→ここでディミトリスはあることに気付く→「共通点、ピタゴラスの名言だけじゃねぇべ…部屋番号が…」→アルギリオウの殺害された部屋番号は220、そしてパパスの胸ポケットから見つかった紙幣は220ユーロ…

検死の結果、アルギリオウの死因は出血による溺死。大量の麻酔薬を投与された後、舌を切り落とされていた→「自分の血で溺れて死ぬなんて…」→刑事がふと何かを思い出す→「…でも…あれは自殺だったが…」→自宅で首を吊った状態で発見された古典学部卒業生エフティミウの捜査ファイルを見直す→机にはピタゴラスの名言が書かれたメモ→「んっ!?これは…」→なんとエフティミウの腕時計が2時20分で止まっていた。
「これは自殺に見せかけた殺人…」
事件は、ますます複雑になる…

調べを進めるうちに、大晦日の夜自宅マンションの階段から転落し死亡した元判事デシラにたどり着く→事故死とされたデシラ→デシラの捜査ファイルを調べる→「ペントハウス住み…彼女の年齢で階段上ってって、おかしくね?」→事故現場へ向かう→エレベーターに乗るディミトリスと刑事→「これは…」→なんとエレベーターの内扉に書かれたピタゴラスの名言を発見する→そしてエレベーターの最大耐荷量は220キロ→「すべては数字に従って起きる…1はすべての始まり…」デシラはこの連続殺人事件の最初の被害者だった。

「最初の殺人を事故死に見せ、二番目の殺人は自殺のように…この犯人は時間稼ぎをしている。新たな殺人が起こるかもしれない…」→すべての殺人は何らかの形で繋がっている…しかし捜査は思うように進まず→行き詰まったディミトリスは数学者のマルセル・ドゥシャフに会いに行く→「数字に定義があるか聞きたい…220という数字に…」→「それだけだとピンとこない、もっと別の…何か数字を…」→ディミトリスは事件の詳細を話す→「犯人は頻繁にピタゴラスの引用と220を…」→「ピタゴラスの名言と220…エテロス・エゴ、もうひとりの私。それは友好的な数の理論…例えば220と284」→マルセルは計算し、友愛数の説明する→「284の約数を足すと答えは220になり、また220の約数を加算すると284になる。すなわち、もうひとりの私を表す数字…」

警察は、被害者の繋がりを発見する→それは2007年に起きた交通事故→運転していたのは有名な実業家の息子トニー・マルネリス→ある晩、マルネリスはバイクに乗ったカップルを車で撥ねる→パニックになりその場を立ち去り、三日後に自首→被害者カップルの男性は重症を負い、女性は即死→マルネリスは、バイクの運転手が彼女とふざけあい無謀な運転をし、車に衝突してきたと主張→そして裁判で無罪となる。

この事故の裁判で裁判官を務めたのはデシラ、マルネリスを弁護した弁護士はアルギリオ、マルネリスが酒に酔った状態ではなかったと医学的に証明した医師のアレクシス・パパス、そしてマルネリスの車に同乗し、唯一の証言者だったのがかエフティミウ…
「被害者女性のカバンには、70ユーロ、鍵が4つ付いたキーホルダーと携帯電話…左手には指輪をはめ、284という数字のネックレスをつけていた」「284!?」

最後のターゲットが判明する→が、時すでに遅し…マルネリスは行方不明になっていた→「彼はまだ殺されていない!友好的な数に関するピタゴラスの定理で…殺されるのは5月22日だ!」→「どういうこと?」→「エテロスの自我、220のペア…284の5つの約数を…」→最初の殺人は1月1日、エフティミウの遺体が発見されたのが2日、パパスが殺害されたの日は4日、そして年の71日目、3月12日にホテルで発見されたアルギリオ→不足している数字は142…142日目の5月22日→「犯人は5日以内にマルネリスを殺そうとしているのか…」→「バイクの運転手の名前は?」→「マントス・ゴゾロス」→ディミトリスはマントスの住所を調べ、一人で会いに行く(ミステリーお決まりの勝手な行動)→顔は火傷でただれ、車椅子生活を送るマントス→人殺し絶対無理だろ状態だが…ディミトリスは質問する→「殺したのはあなたっスか?」→「残念だが違う…俺、赤ん坊のように世話されて生きてんだぞ…」→しかも、マントスにはアリバイがあった…

懸命な捜査の甲斐なく…最後のターゲット・マルネリスの遺体が発見される。
鎖で繋がれたマルネリスの胸には番号が220のナンバープレートが突き刺され、現場には、またもやピタゴラスの引用が残されていた…。
果たして、事故で死んだクリオのエテロス・エゴは一体誰なのか??
そして、ディミトリスが抱えるもう一つ問題…彼の出した答えは…

本国ギリシャでも上映が打ち切られた超マイナー作品。
公開開始後にアテネ市内で発生したタクシー運転手殺害事件が映画のストーリーと似ていると声が上がり、警察の捜査が継続されていることを理由に監督自ら公開中止を発表し、上映が打ち切られたとのこと。
日本語字幕なし、自動翻訳で視聴したので「はぁ???」なところが多々あったが…非常にベタなストーリーだったので大体把握はできた 笑
問題を抱える主人公、現場に残された意味深メッセージと数字、被害者の共通点、過去の事故、復讐、処刑、わかりやすすぎるミスリード、捜査に没頭し暴走、「お前、ええ加減にせい!」と怒られる主人公、オソロっちのネックレス…
これでもか!!ってくらいのミステリーあるある設定 笑
もうお腹いっぱいっスわ~
ありとあらゆるミステリー要素をぶち込みすぎて「こんな感じの映画、観たことありますわ~」って感じのなんの面白みもない残念な映画でした。
リラリオ

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