ーcoyolyー

パウロ 愛と赦しの物語のーcoyolyーのレビュー・感想・評価

パウロ 愛と赦しの物語(2018年製作の映画)
3.0
「地獄の黙示録」のカーツ大佐はパウロだ!というのと、「レディバード」がつまらなかったけどカトリック校ノリ懐かしいなと思って、(聖パウロの名を冠する修道会が経営していて校内にパウロ像もあった)高校時代を思い出そうかと観てみました。

高校の宗教の授業で観る映画感が欲しくて特に面白さは求めてなかったので、その点ではちょうど良かったです。「地獄の黙示録」でこれユダヤ教徒から見た裏切り者としてのパウロの描写なんじゃん!と思って、私の言ってることよくわからなそうな人に見てもらえたらわかりやすく説明できる映画かなとも気になってたんですけど、それはちょっと難しそうですね。これキリスト教や聖書の知識ないと却って混乱しそう。カーツファミリーが思ってた以上にやっぱりパウロのエピソード下敷きにしてるなというのはあるので、カーツファミリー重ね合わせて見たら少し面白いかもしれないです。
私世界史を高校で1秒も勉強してないので暴君ネロの時代にローマで布教して殉教というのはちょっと知らなかったのと、ルカが医者だということ忘れてたので、聖路加病院がなぜルカの名前を冠しているのかやっと思い至って「そういうことかー!」となったりはしました。

高校時代の宗教の時間、聖パウロの回心やパウロの話は聖母やジャンヌダルクやルルドやファティマの3つの預言並にこってりやったんですけど、実はイエスの話ってあまり教えられなくて、プロテスタントの教会行くと「ごめん、私イエスのことよく知らない…マリア様とマグダラとジャンヌダルクとパウロのことしかよく知らない…」とイエスに人見知りする事案が発生するので、イエスが出てくる宗教映画より馴染みやすかったです。

なぜ十二使徒でもないのにパウロの名前を冠した修道会多いんだろうと漠然と気になってたんですが、イエスを直接知らない人でも使徒になれてこんな信仰をしている、ってとてつもなく大事なことだったのだな、ということもやっと気づきました。だって今生きている信者なんて全員イエスのこと直接知らないもんね。直接知らない信者第一世代にこういう人がいるとロールモデルとして有用なんでしょうね。あと日本という極東の島国まで伝道しに行くってミッション与えられるのはやっぱパウロさんのとこですよねー、ってノリはありそうですよねパリミッションからの指令がなんか。

それにしても初期キリスト教のカルトっぷり半端なくて、ここから世界三大宗教に成り上がったの知っている新興宗教はキリスト教バリの成功体験を夢見ちゃって張り切っちゃうよなとはいつも思います。宗教は老舗も新興もおしなべてカルトなんだよね実は。カルトからの下克上をキリスト教がうまく果たしたのも単なる運な気がするし
ーcoyolyー

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