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女渡世人 おたの申しますのoのレビュー・感想・評価

女渡世人 おたの申します(1971年製作の映画)
3.6
大阪の南田一家の賭場で男が借金を背負い、さらに言い掛かりをつけたせいで殺されてしまう。藤純子は行き掛かり上、借金を取り立てる役割を引き受けて男の故郷に向かったが、南田一家は実は地元組織と組んで男の両親の営む舟宿の土地を悪辣なやり方で奪おうとしていた。真相を知った藤純子が本心と役割の間で葛藤する話。

藤純子の隣で、寡黙な菅原文太が稀に発するセリフに泣く。
「どんなに日陰に咲こうと、おめえさんの花の美しさはあたしにはわかってます」
「あたしはもう、なあんにもすることが無くなっちまったから、苦労があったら少し分けてもらいてえんですよ」

藤純子は女渡世人だから喧嘩が強くて男達と戦っても負けないけれど、この作品では他の女達との関係もおもしろい。
事情を知った途端に手のひらを返す舟宿の隣の長屋の女達。
事情を知っているのに何も知らないふりをする舟宿の盲目の母。
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