細田守監督によるONE PIECE的世にも奇妙な物語。
作画が良く言えば細田守色全開、悪く言えば同人誌並みという感じですごく違和感あるのと所々雑い、内容も過去作とは明らかに異質なスリラーテイストと、思い切った作品ながら興収は右肩下がりで当時の過去最低と振るわず。
ONE PIECEとは別物と捉えて然るべきなんだろうけど、もはや麦わらの一味も活躍してないしルフィも活躍せずに最後は敵すらルフィが倒さずに終わるというよく分かんない出来。観終わってモヤモヤは拭えないし何よりあの終盤の展開からの氣志團のエンディングがお門違いすぎて監督ご乱心かと思ったわ(？)
【クルーを失った船長はどうするのか】という命題があったとしてルフィはどうするんだろうか。ルフィの目的は海賊王だとは言え、原作において仲間を大事にしているルフィがクルーを失えば海賊王を目指すのも辞めたりするんだろうか。本作の敵である(元)船長のように過去の呪縛に囚われ続けるのだろうか...ある種の別れや過去との決別を描いているのかもしれない。
ONE PIECEという名を借りずに細田守としてオリジナルの作品で出してたらそれなりに面白かったテーマではあると思う。
P.S.敵にやられたルフィが目覚めたら朝になっていて周りに元船長達が集まってた最後のシーン。あの後に出てくる一味はルフィの妄想で実はもう既に一味全員死んでいたってオチでもありえる。新しく仲間になった元船長と勇気を持って最後に敵を倒した元船長たちと新しい仲間でルフィは前を向いて冒険を進めるっていうバッド展開でも全然シックリくるし内容的にむしろそっちの方が良いよね。ONE PIECEという看板背負ってる以上あり得ない展開だけども。あとオマツリ男爵のその後が描かれていないけどオマツリ男爵はこの後どうするんだろう。何気ない日常の最中、災害でクルー達の命を突然奪われたらそりゃ受け入れ難いよな、そんなとこに命吹き返させる花があったら縋り付きたくなるよなってオマツリ男爵のことを思うと切なくなる。オマツリ男爵が決別を受け入れたらルフィ達と新しく冒険に踏み出すのでしょうかね、なんつって
