Brynhildr38

騙し絵の牙のBrynhildr38のレビュー・感想・評価

騙し絵の牙(2021年製作の映画)
3.4
普通?
思っていたより「騙し」が軽くて、ちょっと物足りない。

崖っぷち出版社で巻き起こるクセモノだらけの仁義なき騙し合いバトルが開幕! 陰謀渦巻く中、廃刊の危機に瀕した雑誌編集長・速水の仕掛ける大逆転の奇策とは?(あらすじより)

題名から何か大きなトリックがあるのではと期待してしまうところは、客引きにはなるだろうけど、レビュー・スコア的には逆効果になっていませんかね?

出版社内部の主導権争いは、面白かった。
出版業界に限った話ではなく、仕事と言うのはこれまで積み上げてきたコネクションを最大現に活用しつつ、面白がって取り組もうと言うところも、とっても共感できる。

キャストは、豪華過ぎ。
飄々として次々と新しい風を起こすやり手の雑誌編集長の速水輝を演じる大泉洋は、やっぱり騙される側でしょう。やり手と言うのに観る側が慣れてない。めげない純粋な新人編集者の高野恵を演じる松岡茉優は相変わらず演技が上手い。大御所小説家の二階堂大作を演じる國村隼の長髪は笑える。モデルの城島咲を演じる池田エライザは、何かいいもの見た感じ。他にも多数。

オチは、打倒Amazon的なネタで、劇中に出てくる「本屋のある街の風景」の1つの形を示していて夢があって面白いと思うが、続けることができるのか心配。(こう思っちゃうから、面白がれない・・・)

この作品は、今、流行りの小説×音楽コラボの次はこれでしょと言わんばかりの小説×映画コラボで、同時進行で企画されたとのこと。単なる小説の「映画化」では無いはずという期待で小説にも目を通したい。そして、実はそこに「騙し」があったりすると最高なんだけど、どうかな?
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