ぴよまろ

騙し絵の牙のぴよまろのレビュー・感想・評価

騙し絵の牙(2021年製作の映画)
3.4
塩田武士原作小説の実写映画化作品。
次期社長争いの中の出版社を舞台に、売上低迷中の雑誌編集長が、雑誌の存続のためにあらゆる手段を使って奔走する物語。

権力争いに揺れる社内で、新しい作品を作る・世に出すにはどうしたらよいか、というテーマであるので、真っ当なお仕事ムービーとして楽しめました。映画のコピーの「騙し合いバトル」の要素はほとんどなく、出版社の内実、書くしかない作家と、書かせるしかない編集者の立場の違いといった、知らない世界を垣間見られる作品でした。

このテの作品にありがちなトリッキーな仕掛けはないものの、速水編集長(大泉洋)がシンボルキャラクターなので、彼の手練手管によって物語が進みます。原作は当て書きだったそうですが、映画化にあたって再構築されたキャラクターという、複雑な背景を持っています。ただ観ている側的にはいつもの大泉さんに見えなくもない笑

騙され系作品ではなく、真っ当に面白いお仕事ムービーとして楽しめる作品でした。
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