皮肉とミラーリングの効いた面白い映画でした。
私が嫌いなのは男じゃなくて、男を"男"たらしめる、有害な男性性を醸造・放置する社会が嫌いなんだなとちゃんと気付けた。作中で男女の立場が逆転したらしっかり"女"に怒りが湧いたもん。
あとは男性がパックしながらグリーンに水をあげていたり、恋愛映画を観て涙を滲ませていたりしたのを観てクスッと笑ってから「ってことは私はこれを違和感だと思ってる(=だからコメディに見える)んだな」と自分の差別心に改めて向き合った。
差別をしないように意識して誰がどんな服装や趣向を持っていてもいいじゃん!と思ってたはずなのにそうなんだからジェンダー規範の刷り込みは根深い。
トップレスでランニングしたり自宅で仕事したりする女性を見てちょっとハラハラしてしまったのもそう、いかに簡単に男性が上裸でいられるかと。
でも主人公が割と早々に女性言葉使い(フランスにも男女で言葉の違いってあるの?)に移り変わっていったりしてそこはなんで?だった。朱に交われば赤くなる的な、実はプライドと自負を持って「男」をやっていたつもりでも環境ですぐ変われるような不安定なものなんだと気付かせるためのこれもメタファーかな。
フランス語話者の友人に観てもらって話し言葉の感想を聞きたい…。
終盤迫ってきた女を倒してたけど、そこだけ現実にミラーリング出来ないのがマジで悔しいですね。ラストはオッて感じだけど個人的には良いと思いました。